こんなEVならワクワク? エレクトリック・モークへ試乗 44psで80km/hでも面白い!

公開 : 2024.08.30 19:05

最高出力44ps 知名度の高さに驚く

駆動用モーターの最高出力は44psで、最大トルクは13.2kg-m。カンバス製のソフトトップは簡単に巻き取れる。屋根付きのガレージは必要だろう。

シートは4つ。リア側には、チャイルドシート用のISOFIXマウントもある。フロントガラスにはヒーターが備わり、ダッシュボードのスイッチやステレオ、ライトなどのレバーは、ボート水準の防水性があるという。ステアリングホイールの位置は固定だ。

エレクトリック・モークを運転する筆者、マット・プライヤー(左)
エレクトリック・モークを運転する筆者、マット・プライヤー(左)

サイドパネルの蓋を開くと、充電ケーブルが隠れている。駆動用バッテリーの容量は10.5kWhで、航続距離は86km。急速充電はできないが、サマーハウスからビーチまでの往復はできるだろう。

ステアリングホイールの位置は低く、フロアにあるドライブ・ボタンを押して発進。歩行者へ接近を知らせるため、低速域ではヒュィーンという音が聞こえる。これが近づいてきても、驚く人は少なそうだが。

「モーク!」と、老若男女問わず声が上がる。大ヒットといえる販売数ではなかったのに、知名度の高さには驚かされる。

プロポーションはオリジナルに近い。初代ランドローバーのような道具感があり、親しみやすい。安心感があって好印象。街を走るクルマが全部これなら、あおり運転などは起きないかも。

アシストなしのステアリングは、ロックトゥロック2.75回転。ペダルの重み付けはちょうど良い。ブレーキは、フロントがディスクでリアはドラムだが、ABSはない。最高速度は80km/hだから、重装備はいらない。

運転はゴーカートのよう 誰もがきっと気に入る

カーブでは、凹凸で軽く弾むこともあるが、ボディロールは抑制されている。ステアリングはダイレクトで正確。ゴーカートを運転しているようで面白い。

サイドウォールの厚いタイヤは、英国ダバンティの165/65 R13。コイルスプリングと相まって、乗り心地は良い。ロールケージがシャシー剛性を高めている。

エレクトリック・モーク(英国仕様)
エレクトリック・モーク(英国仕様)

モーク・インターナショナルは、都市部や沿岸部なら、1度の充電で70kmから125kmくらいは走れると実証している。速度域の低い離島なら、恐らく達成できるのだろう。

島国といえども、英国のグレートブリテン島は小さくない。速度域は高めだから、
長くても80kmが良いところだと思う。速く走ると、フロントガラス横から巻き込む風が、顔へ盛大にぶつかる。ケータハムに付いている、ディフレクターが欲しい。

寒い冬場は、乗りたい気が失せるかもしれない。それでも、初夏に見るモークには強く惹かれてしまう。

同社は、2024年に500台の生産を予定しているが、注文処理は追いつかない状態だとか。英国価格は、3万5995ポンド(約684万円)から。2つのバリエーションから選べるが、特別な仕様も想定しているらしい。

急速充電はできない。最高速度は80km/hで、航続距離は80km。ドアもヒーターもない。安全性も低い。お値段は、フル装備のフォルクスワーゲン・ゴルフより高い。それでも、きっと誰もが気に入るように思う。もちろん、筆者も1台欲しい。

エレクトリック・モーク(英国仕様)のスペック

英国価格:3万5995ポンド(約684万円)
全長:3325mm
全幅:1660mm
全高:1550mm
最高速度:80km/h
0-100km/h加速:−秒
航続距離:80km
電費:8.2km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:741kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:10.5kWh(予想)
急速充電能力:−kW
最高出力:44ps
最大トルク:13.2kg-m
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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