中国製格安EV、スイスで発売 東風汽車「納米Box」 航続距離310km、最高出力95psを実現

公開 : 2024.08.21 18:05

中国の自動車メーカーである東風汽車は、小型EV「納米Box」をスイスで発売した。全長4.0mクラスのハッチバックで、欧州市場への進出は初となる。将来的にイタリアで生産される可能性もある。

将来的にイタリアで生産の可能性も

中国4大自動車メーカーの1つである東風汽車は、低価格EV「納米Box(Nammi Box)」をスイスで発売し、欧州進出の第一歩を踏み出した。

スイスでの車両価格は2万1990スイスフラン(約375万円)から。欧州で販売されるEVとしては最も安価なクラスに入る。

東風汽車「納米Box」
東風汽車「納米Box」    東風汽車

現在は中国製だが、価格をさらに抑えるため、イタリアに建設予定の東風汽車の工場で生産される可能性もある。『ロイター通信』の報道によると、同社は現在、工場の設立をめぐってイタリア政府と交渉を進めているという。

そうなれば、中国製EVに対する欧州連合(EU)の高額な輸入関税をかわすことができる。既存の10%の輸入関税に加え、一部の自動車メーカーには38.1%も上乗せされている。

納米Boxは東風汽車独自の「S3」プラットフォームをベースに開発された小型ハッチバックで、ボディサイズは全長4.02m、全幅1.81m、全高1.57m。トランク容量は326L。

42.3kWhの駆動用バッテリーを搭載し、欧州WLTP航続距離は310kmを謳う。シングルモーターの最高出力は95ps。中国ではより小型の31.5kWhバッテリーが用意されているが、欧州には導入されない見込みだ。

参考として、価格とサイズの近いシトロエンe-C3は44kWhのバッテリーで航続距離320km、最高出力113psのモーターを搭載している。

インテリアではダイヤモンドステッチのホワイトレザーが使用され、12インチのインフォテインメント・タッチスクリーンがダッシュボード中央に配置されている。また、5インチのデジタルメーターも装備される。

フロントシートはフラットにリクライニング可能で、簡易ベッドとして使用できる。

今後の導入計画はまだ明らかにされていないが、他の中国大手(BYD、奇瑞汽車、吉利汽車、GWM、上海汽車など)に続いて、より広い欧州市場に参入する可能性が高い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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