「直列8気筒」が生んだエレガントな自動車 30選 後編 戦前戦後の高性能モデル
公開 : 2024.08.25 18:25
デイムラー・トゥエンティファイブ(1934年)
「V 26」として知られる英国デイムラーの3.8L直8は、上級モデルのトゥエンティファイブ(Twenty-Five)と、1935年秋に国王ジョージ5世に納車されたフーパーボディのリムジンに搭載された。排気量はやがて4.6Lに引き上げられ、スポーティなライトストレートエイト用に3.4Lの新エンジンが開発された。
デイムラーは、第二次世界大戦後もこのレイアウトに関心を持ち続けた数少ないメーカーの1つであり、最終的には1953年にパッカードとポンティアックより少し早く手を引いた。
ロールス・ロイス・ファントムIV(1950年)
初代ファントムIVは、当時のエリザベス王女とフィリップ王子の専用車として発注を受け、女王が即位した際には「御料車」となった。その後、さらに17台が生産され(最後の1台は1956年)、国家の運営を本業とする人々にのみ供給された。
ロールス・ロイスとしては唯一の直列8気筒エンジン車で、もともとは軍用車に使用されていたユニットだった。
クライスラー・アトランティック・コンセプト(1995年)
直列8気筒エンジンは1995年にはすっかり過去の存在となっていたが、クライスラーはこの年、アトランティックというコンセプトカーに採用した。というのも、アトランティックは1930年代のコーチビルド車に強い影響を受けており、その多くが直8エンジンを搭載していたからだ。
アトランティックに搭載された4.0L直8の起源は質素なものだった。簡単に言えば、ダッジ・ネオンの2.0L 4気筒を2基使用したものである。