【佐藤久実がインタビュー】ランボルギーニらしさがつまったワンメイクレース、その成功の理由とは

公開 : 2024.09.22 07:05

プロと互角に渡り合う参加者たちも

改めてコースを眺めると、23台のウラカンがグリッドに並ぶ景色はなかなかの迫力だ。

PRO、PRO-AM(アマチュア)、AM各クラスのマシンが50分の熱い戦いを展開。ちなみにレース中はタイヤ交換や給油はなく、ドライバー交代のみ。ワンドライバーの場合はピットストップ時にタイムハンディを課せられるという。

23台のウラカンがグリッドを埋め尽くす。
23台のウラカンがグリッドを埋め尽くす。    ランボルギーニ

通常、2ドライバーレースの場合、ファーストドライバー/セカンドドライバーというポジションがあり、ファーストドライバーがセッティング含めレースをリードする。

しかし、このレースの場合、2回の予選はそれぞれのドライバーが担当し、予選を担当したレースのスタートを担当するという。つまり、2レースある中で、予選アタック、スタート、後半を、それぞれ2名ともが担う。このレギュレーションが特徴であり、レースを面白くしてもいるだろう。

つまり、セッティングなどはプロドライバーがリードするにしても、レースではPRO-AMクラスであろうが、プロに頼ってばかりはいられないのだ。

しかしよく見ると、必ずしも予選上位がプロで占められていたわけではない。プロにコーチングを受けているだけあり、プロ顔負けのジェントルマンドライバーもいた。

V10エンジンをミッドに搭載するリヤヘヴィでパワフルなウラカンEVO2の操縦性は、そう簡単なものではない。そのマシンで、プロと同じステージでレースができる。これもまた、ジェントルマンドライバーにとっては大きなモチベーションになっているのは間違いないだろう。

『ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジア』が10年以上に渡り愛され、発展し続けている理由がたくさん見つかった富士の一日だった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    佐藤久実

    Kumi Sato

    大学在学中にレースデビューし、耐久レースをメインに活動。ニュルブルクリンク24時間レース、スパ・フランコルシャン24時間レースで入賞を果たす。モータースポーツで培ったスキルをベースにインストラクターとしても活動。東海大学工学部動力機械工学科非常勤講師、芝浦工業大学特別講師の経験あり。日本カー・オブ・ザ・イヤー、World Car Awards、日本ボート・オブ・ザ・イヤーの選考委員も務める。

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