【ロータス・エメヤ日本デビュー!】コーリン・チャプマンも夢見た4ドアモデル

公開 : 2024.08.24 11:05

8月22日、ロータスがエレクトリック・ハイパーGTと呼ぶ「ロータス・エメヤ」が日本デビューしました。創業者コーリン・チャプマンも夢見たという、ロータスの4ドアモデル第2弾です。そのプロフィールをご紹介します。

1年経って2台目のBEVを投入

昨年夏の終わりに電動化モデル(BEV)で、クロスオーバーSUVスタイルのエレトレを日本デビューさせたロータス。2028年までに完全な電動化を果たすと宣言しているイギリスのスポーツカーブランドが、今年もまた新たな1台を上陸させた。同社がエレクトリック・ハイパーGTと呼ぶ「ロータス・エメヤ」である。

今回エメヤがお披露目されたのは東京・南青山のプレイハウスというスペースだった。会場にはステージの上で黒いベールに包まれたエメヤの他に、F1マシンであるJPSカラーの「ロータス97T」や、ウェッジシェイプが美しい「ロータス・エスプリ・ターボ」という革新的なラインナップが新たなロータスの門出に立ち会った。

8月22日に東京・南青山でお披露目されたロータス・エメヤ。
8月22日に東京・南青山でお披露目されたロータス・エメヤ。    上野和秀

クロスオーバーSUVのエレトレとは違い、エメヤのボディにリフトアップ感はない。それでもボディサイズは堂々たるもので、全長5139mm、全幅2005mm、全高は1460mmほどもあり、これはポルシェタイカンよりひと回り大きいということになる。

だがその伸びやかなスタイリングはハイパーEVであるエヴァイヤや現行モデルのエミーラといった最新世代のロータスらしいエッセンスで纏められている。ロータスというとボディの素材はFRPに代表されるコンポジット材を想像してしまうが、エメヤの主要なパネルはエレトレと同様アルミニウムで作られている。

随所に見え隠れするハイパーな理由

今回日本導入が発表されたエメヤは3グレードで構成される。ベーシックな「エメヤ」とミドルグレードの「エメヤS」、そして最上級グレードの「エメヤR」である。各モデルともボディの前後にモーターを積むAWDで、その出力総計はエメヤとエメヤSでは612ps、エメヤRは918psに達している。

一充電航続距離を左右するバッテリー容量は102kWh。これはメルセデスEQSBMWのi7に匹敵するサイズで、一充電走行距離はエメヤとエメヤSが500-610km(WLTP)、エメヤRは435-485km(WLTP)と発表されている。プラットフォームを共有するだけあり、バッテリー容量や最高出力といったエメヤの主要なスペックはエレトレのそれに近い。

SUVのエレトレに続く、ロータス4ドアモデル第2弾となる。
SUVのエレトレに続く、ロータス4ドアモデル第2弾となる。    上野和秀

これまでは可能な限りシンプルな構造を持ち、軽量であることに重きを置いてきたロータス。だが同社は、電動化のタイミングではっきりと方向性を変えてきたといえる。バッテリーのサイズを考えればある程度の車重は受け入れなければならない。けれどハイテクを駆使することで、新たなロータス像を目指そうということなのだろう。

0.21という優れたCd値以上に感心させられるのは、150kg以上という総ダウンフォース量だ。可変のエアロダイナミクスや可変のエアサス、そしてエメヤRに備わるアクティブなスタビや4輪操舵によって、質量をはるかに越えたドライビングパフォーマンスを成立させようというのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 編集

    平井大介

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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