BMW Z4 詳細データテスト 希少なMTで味わえる柔軟なエンジン 直感的でない可変ステアリング

公開 : 2024.08.31 20:25

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

Z4 M40iの価格は5万7350ポンド(約1090万円)からで、競合するポルシェボクスターGTS4.0より2万ポンド(約380万円)ほども安く、装備内容も充実。いくつかのオプションは付けたくなるだろうが、それらも法外な値付けはされていない。

特筆すべきオプションが、今回のテスト車に装備されているハントシャルターパックで、価格は5325ポンド(約101万円)。内外装色が1種類のみというのは限定しすぎだと思うが、BMWによれば、このモデルにはすでに強い関心が寄せられており、今後はユーザーの反響次第で別仕様の設定も検討するという。

残価予想は、AT車や、競合するボクスターを凌ぐものではないが、われわれはコレクターズアイテムになるのではないかと考えている。
残価予想は、AT車や、競合するボクスターを凌ぐものではないが、われわれはコレクターズアイテムになるのではないかと考えている。

これまでの経験から、B58が動力面の能力のわりには経済的なエンジンであることはわかっている。クローズでのクルージングでは、12~13km/Lを出すことが可能だ。このエンジンを積んだほかのモデルにはやや劣るが、6速・113km/hで2600rpmという比較的ショートなギア比が理由だろう。

テスト時の平均燃費は10.5km/Lに止まったが、これは動力性能計測を含むため、高回転で使う機会が多かったからだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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