「余裕」が欲しい動力性能 レクサスLBX 長期テスト(2) 歴代で最も好印象なe‐CVT

公開 : 2024.09.14 09:45

レクサス最小のクロスオーバー、ブレークスルーを掲げたLBXが英国上陸 BEV仕様なしでも欧州でのシェア拡大は可能か? ヤリスクロスとの差別化は? 英編集部が魅力を掘り下げる

積算4688km まだ完璧ではない運転支援システム

レクサスLBXには、多くの運転支援システムが実装されている。それらは全般的に良く機能し、筆者とうまくやっている。

ところが先週、理想的な姿勢で集中して運転していたにも関わらず、「姿勢を正して」と警告されてしまった。まだ、完璧な関係性は構築できていないらしい。

レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザイン(英国仕様)
レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザイン(英国仕様)

積算5390km 意外に広い荷室 好印象なe‐CVT

長期テストの開始以来、通勤や買い物などの短距離移動で活躍してきたレクサスLBX。先日ようやく、グレートブリテン島南部のオックスフォードシャーにあるモリーズ・モーテル&ダイナーまでの道のりで、運転体験をじっくり確かめることができた。

週末を使った、1泊2日の小旅行。レクサス史上最小のSUVの荷室へ、小さな子供のぶんも含めた、一式の荷物を載せることになった。リアシートの片側を倒す必要があるかと予想していたが、そんな必要はまったくなく、うれしい誤算といえた。

レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザイン(英国仕様)
レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザイン(英国仕様)

今までは、流れの穏やかな市街地を中心に乗ってきたが、高速道路でも3気筒ガソリンエンジンは静か。ハイブリッドのアシストは、充分に効果的だった。e‐CVTの仕事ぶりも、これまで試乗してきたトヨタやレクサスの中で、最も好印象なものといえた。

もう少し余裕が欲しい動力性能

と、序盤は順調だったのだが、モリーズへ到着するまでに、力強い加速を必要とする場面は何度も訪れる。そんな瞬間に、LBXの印象を下げてしまうパワートレインの振る舞いが現れた。

アクセルペダルを踏み込んで、エンジンを3000rpm以上まで回すと、粒の粗いノイズが車内へ響き出すのだ。上級ブランドのレクサスには、不釣り合いなものだと思う。

レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザイン(英国仕様)
レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザイン(英国仕様)

必要な速度へ達するまでには、相応の深さで右足を傾け続けることにもなった。動力性能には、もう少し余裕があっても良いだろう。

そして、目的地まで残り約2kmへ迫ったところで、幹線道路は渋滞していた。車列はビタッと止まって動かない。不思議なことに、小さな子供は渋滞するとグズり出す。それにつられて、大人もイライラしてしまうことには、共感いただけると思う。

ユルユル進み始めると、次はパーキングセンサーが鳴り始めた。これはLBXに限った制御ではないと思うが、こんな状況では普段以上に気に障ることは間違いない。

予定よりだいぶ長い時間をかけて、モリーズへ到着。モーテル&ダイナーの駐車場は綺麗に整備されていたものの、小さなクルマは初めての場所でも停めやすい。一旦降りて、残りの空間を確かめる必要もなかった。コンパクトさの利点を、改めて実感した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    レイチェル・バージェス

    Rachel Burgess

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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