【注文してから試乗!?】 ヒョンデ アイオニック5N 日本1号車がデリバリー

公開 : 2024.08.30 13:05

遊びゴコロは進化の原動力

ガソリンエンジンの自動車は、およそ100年の歴史のなかで日々進歩してきた。つまり自動車の楽しみ方や自動車文化も、100年かけて熟成してきたのである。中でも近年の都市環境は最たるもので、ガソリンで走る自動車を前提として、街が設計され、道路が作られてきた。

一方、電気自動車はまだ歴史も浅く、技術力もこれから進化していく。電気自動車を取り巻く充電設備などのインフラだってこれから整えられていくのだから、現段階での使い勝手でいえばガソリン車のほうが便利なのは当たり前だ。もちろん楽しみ方や文化だって、これまで人類が100年熟成させてきた自動車の楽しみ方を応用することはできるが、きっと電気自動車には電気自動車なりの新しい楽しみ方があるに違いない。

操作方法のレクチャーを受ける小峰さん。
操作方法のレクチャーを受ける小峰さん。    Hyundai Mobility Japan

そのような、いわば黎明期の中で、電気自動車を『環境のための乗り物』としてだけ捉えるのではなく、ヒョンデや小峰さんのように、作る側としての『楽しませ方』、乗る側として『楽しみ方』を模索していく人たちは、ある種の開拓者である。

きっと大昔、自動車が発明された頃にも、彼らのような人たちが、移動手段として発明されたクルマを、単なる『生活のための道具』から、その先の文化や趣味へと昇華させていったのだろう。『遊びゴコロ』は人間や物事が進化していくためのエネルギーなのだ。

小峰さんのようなエネルギッシュでアクティブなオーナーが、アイオニック5Nを日常からサーキットまで使い倒してくれることは、ヒョンデのNチームにとって、開発冥利に尽きるのではないだろうか。国内1号車の5Nが、そのクルマにこの上なく相応しいオーナーの手元に渡った瞬間を見届けることができた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    小河昭太

    Shota Ogo

    2002年横浜生まれ。都内の文系大学に通う現役大学生。幼いころから筋金入りのクルマ好きで、初の愛車は自らレストアしたアウトビアンキA112アバルトとアルファロメオ2000GTV。廃部になった自動車部を復活させようと絶賛奮闘中。自動車ライターを志していたところAUTOCAR編集部との出会いがあり、現在に至る。instagram:@h_r_boy_

関連テーマ

おすすめ記事

 

ヒョンデ アイオニック5の人気画像