EV技術で水中翼船も電動化! カンデラC-8 ポールスター・エディションへ同乗 航続距離105km

公開 : 2024.09.12 19:05

カーボン製の船体 船底に固定される船外機

船体はカーボンファイバー製。全長は8500mm、全幅は2500mmもあるが、重さは1750kgしかない。

船外機はC-ポッドと呼ばれるもので、これはカンデラのオリジナル。従来のエンジン船外機は船尾に載り、プロペラが水中まで伸び、ボートを推進させる。だがこれは細長い潜水艦のような形で、船底からぶら下がるように固定されている。

カンデラC-8(欧州仕様)
カンデラC-8(欧州仕様)

内部には2基の電気モーターが搭載され、二重反転スクリューを回転させる。合計の最高出力は68psと、さほど高くない。1基のモーターで同じ仕事量を得るより、高効率なのだという。

またC-8は、電気的に操舵されるバイワイヤ方式ラダーや、センサーのデータを元にボートの進路や位置を毎秒100回制御する、「フライトコントローラー」も実装。操縦席にはステアリングホイールが備わるが、そこには15.4インチのタッチモニターもある。

駆動用バッテリーの充電量は、スマートフォンのアプリでも確認できる。アップル・「ボート」プレイは、提供されていないけれど。

C-8は元々スタイリッシュだが、ポールスター・エディションでは、ソリッドグレーの船外塗装に、ポールスターと同じシート素材、ゴールドの差し色などでコーディネート。ルーフはフルオープンの他、Tトップとハードトップが用意される。

英国価格は、40万ユーロ(約6600万円)から。ハイパーカーと同じくらいの値段だ。

電動水中翼船から派生したアイデアがクルマへ?

電動ボートの需要は上昇基調にあり、カンデラ社は短期間でこの分野の主力メーカーへと躍進した。バッテリーEVの電動技術を活用しながら、一層の成長を目指している。

ポールスターも、他社との協業には意欲的だ。カーボンニュートラルな自動車開発を進めるポールスター0プロジェクトの一環として、複数の企業とパートナーシップを組んでいる。電動モビリティのアイデアや技術、哲学の共有を図るために。

カンデラC-8 ポールスター・エディション(欧州仕様)
カンデラC-8 ポールスター・エディション(欧州仕様)

水陸両用車を、ポールスターが発売することはないかもしれない。とはいえ、電動水中翼船から派生したアイデアが、バッテリーEVへ展開される可能性は充分にあるだろう。

カンデラC-8 ポールスター・エディション(欧州仕様)のスペック

欧州価格:40万ユーロ(約6600万円)
全長:8500mm
全幅:2500mm
全高:−mm
最高速度:55km/h
0-100km/h加速:−秒
航続距離:105km
電費:−km/kWh
CO2排出量:−
船体重量:1750kg
パワートレイン:ツイン永久磁石電気モーター
駆動用バッテリー:64kWh
急速充電能力:135kW
最高出力:68ps
最大トルク:−kg-m
ギアボックス:ダイレクトドライブ

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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