牽引に最適な電気自動車 大トルクでトレーラーを引っ張るEV 10選 デメリットも
公開 : 2024.09.14 18:05
3. テスラ・モデルX
長所:スーパーチャージャー・ネットワーク。スポーツカー並みの加速。充電時間が短い。
短所:左ハンドルのみ。不安定な乗り心地。平均以下の製造品質。
最大牽引重量:2268kg
WLTP航続距離:542~594km
テスラ・モデルXは最大2268kgの牽引が可能で、多くの大型ディーゼルSUVに匹敵する。
大型の二軸トレーラーの連結も容易だ。ただし、ロングレンジ仕様の594kmの航続距離が大幅に減少する可能性がある。
とはいえ、100kg-mを超える瞬間トルクを持ち、重い荷物を運んでも性能に大きな影響が及ぶことはないだろう。さらに、モデルXにはエアサスペンションが標準装備されているため、必要に応じて車高を上げたり下げたりすることで、トレーラーを連結しやすくなり、走行中も安定を保つことができる。
最大7人乗りでトランクも大きく、牽引車としての実用性をさらに高めている。ガルウィングドアはキャンプ場で注目を集めるだろうが、作りの雑さや無気力なドライビング・ダイナミクスなど、妥協点がないわけではない。新車の場合、現時点では左ハンドルしか用意されない点にも注意したい。
4. テスラ・モデルY
長所:スーパーチャージャー・ネットワーク。室内の広さ。航続距離。
短所:乗り心地と静粛性。ボタンが少ない。製造品質。
最大牽引重量:1588kg
WLTP航続距離:455~532km
テスラ・モデルYは、上記のモデルXよりも小型で、道幅の狭い都市部に適したバージョンである。そして、右ハンドルがある。
ファルコンドアではなく従来型のドアを採用し、ぶっ飛んだ「プラッド」仕様も存在しない。優れた航続距離と牽引能力を備えた、はるかに実用的な中型SUVとなっている。
オプションの牽引パッケージを購入すると、ご想像通りトウバーが装備されるが、牽引モードという専用ソフトウェアも付いてくる。このモードなしでも牽引は一応可能だが、テスラは使用を強く推奨している。自動緊急ブレーキの制動力を下げ、ステアリング自動介入を無効にし、クルーズ・コントロール使用時の前方車両との車間距離を伸ばすことで、走行を助けてくれる。
What Car誌のテストでは、モデルYは牽引時に航続距離が約57%短くなることが明らかになった。これは競合車と比べると優秀な方だ。
5. キアEV6
長所:良好な航続距離。バランスのとれたシャシー。牽引時の安定感。
短所:インテリアの質感は競合車に劣る。ステアリング・フィールがいまいち。不器用なクライメートコントロール。
最大牽引重量:1800kg
WLTP航続距離:440~528km
兄弟車のヒョンデ・アイオニック5よりも価格は高いが、キアEV6はベースグレードでもパワフルで、最大牽引重量が200kg多い。
クーペ風のボディに77.4kWhの大型バッテリーを搭載し、モーター出力は後輪駆動のベース車の228psから最上位グレード「GT」の585psまで幅広い。
ここで紹介するすべてのEVと同様、大きな荷物を牽引するとバッテリーの消耗が極端に激しくなる。しかし、プラス面もある。800Vの充電システムにより、超急速充電器を利用すればわずか18分で10~80%の充電が可能だ。
E-GMPプラットフォームをベースとするEV6は、GTグレードで0-100km/h加速3.5秒を謳い、リミテッド・スリップ・ディファレンシャルを標準装備している。