【インタビュー】ロータスは今後どうなる? 電動化で揺らぐ“らしさ”の行方

公開 : 2024.08.31 15:55

幅広いマーケティング活動を通じて

エメヤエレトレといった、ロータスとしては初めて導入するボディタイプを販売するからには、これまでとは違った戦略が求められる。クルマそのものもダンさんが言うように、ライフスタイル系の視点が求められる。

その点についてロータス・カーズ日本と台湾を統括する寺嶋正一さんはやはり、「いままでのマーケティングとは全く違うやり方になると思っています」と語る。いままでは、サーキットを含め走ることを重視したイベント開催が多かった。それは運転することの喜びがロータスだからだ。

ロータス・カーズ日本と台湾を統括する寺嶋正一さん。
ロータス・カーズ日本と台湾を統括する寺嶋正一さん。    ロータス・カーズ

「もちろん今後もそういったイベントは継続します」としたうえで、「もっと家族と一緒に楽しめたり、ツーリングに出かけたり、ロータスを所有したらどんな生活が広がるのかを分かりやすく体験できるようなイベントをたくさんやること。それに加えてこれまでのイベントも継続しますから、ロータスを所有するとこんなに幅広く楽しめる。そういうことを訴求していきたいと思います」とコメントした。

今後は180度違う方向性を持つラインナップになることで、ロータスとしては難しいかじ取りになる。それでも「ビジョン80」という、ロータス創業80周年を迎える2028年までに年産15万台にまで拡大させるという戦略の元、確実に様々なクルマが登場して来ることだろう。

ダンさんの言葉を信じるなら、ガソリン車だろうがBEVであろうが、はたまたSUVや4ドアサルーンであっても、クルマとの一体感やドライビングの愉しさは表現出来ているに違いない。それこそロータス・ファンが求め、ロータスが最も重視しているDNAともいえるからだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    内田俊一

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 編集

    平井大介

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

おすすめ記事

 

ロータスの人気画像