アウディのベストセラーSUVがフルモデルチェンジ 新型「Q5」全車ハイブリッド化、367馬力の “S” も登場
公開 : 2024.09.03 11:45
アウディが中型SUV「Q5」の第3世代モデルを欧州で公開した。全車マイルドハイブリッドを搭載し、価格は約845万円から。新しいプラットフォームは乗り心地と走りにも好影響を与えているという。
人気のQ5が第3世代へ
ドイツのアウディは9月2日、ベストセラーモデル「Q5」の第3世代を発表した。全車にハイブリッド・パワートレインが搭載され、欧州価格は5万2300ユーロ(約845万円)から。
Q5は昨年のアウディの世界販売台数の17%(33万4480台)を占めた人気の中型SUVで、電動化を進める同社の軸となっている。クーペスタイルのQ5スポーツバックも用意される。
新型Q5のエントリーグレードとなる「2.0 TFSI」は、48Vマイルドハイブリッド付きの2.0L 4気筒ターボガソリンエンジンを搭載し、最高出力204psと最大トルク34.7kg-mを発生する。前輪駆動と四輪駆動が選択可能だ。
ディーゼルの「2.0 TDI」は、同じくマイルドハイブリッドの2.0L 4気筒ターボディーゼルエンジンを搭載し、最高出力204ps、最大トルク60.9kg-mを発生。四輪駆動が標準となる。
上級グレードの「SQ5」は、最高出力367ps、最大トルク56.0kg-mのマイルドハイブリッド3.0L V6ターボガソリンエンジンを採用した。
来年には2種類のプラグインハイブリッド車(PHEV、最高出力300psまたは367ps)も登場する予定で、約80kmの電気走行が可能とされている。
乗り心地と走りも改善
アウディは、EVへの移行が当初の予想よりも長引いているため、ハイブリッド・パワートレインに再び注力するようになった。それでも内燃機関を段階的に廃止する計画であり、Q5も今回の第3世代を最後に完全電動化する見込みだ。それまではハイブリッドで環境規制と需要に対応する。
新型Q5では、「プレミアム・プラットフォーム・コンバッション(PPC)」という新しいプラットフォームを採用した。特に電気アーキテクチャーが大幅にアップグレードされており、配線を全面的に見直し、5個の車載コンピューターを使用するようになった。
これにより、搭載するパワートレインの柔軟性を高め、さまざまな構成のハイブリッド車を展開できる。例えば、PPCはレンジエクステンダーEVパワートレインに対応しながら、V8エンジンも搭載可能であることが分かっており、大型SUVのQ7の次世代モデルへの採用も期待されている。
アウディによると、新プラットフォームの採用により乗り心地とハンドリングも向上したという。新型Q5にはスチール製スプリングとパッシブダンパーが標準装備され、オプションでエアサスペンションも用意されている。
インテリアもより現代的なものとなった。アウディ最新の「デジタルステージ」デザインを採用し、11.9インチのデジタルメーター・ディスプレイと14.5インチのインフォテインメント・タッチスクリーンで構成される有機ELパネルを搭載。助手席用の10.9インチ・タッチスクリーンもオプションで用意される。
新型Q5は2025年第1四半期にドイツをはじめとする欧州市場で発売予定で、価格は2.0Lガソリンの2.0 TFSIが5万2300ユーロ(約845万円)から、2.0Lディーゼルの2.0 TDIが5万7100ユーロ(約920万円)から、SQ5が8万2900ユーロ(約1340万円)から。
クーペスタイルの新型Q5スポーツバックについても、まもなく正式発表される見込みだ。
ドイツでは最近、PHEV仕様のプロトタイプのテスト走行が目撃されており、スポーツバックと同時に登場する可能性がある。スポーツバックではトランクルームが縮小される代わりに、燃費が若干向上し、電気のみの航続距離も改善されることを期待したい。