835psのV12ツインターボ搭載! 新型アストンマーティン・ヴァンキッシュ登場

公開 : 2024.09.03 05:30  更新 : 2024.09.03 10:40

アストンマーティンは新たなフラッグシップとして、835psを発揮する5.2リッターV12ツインターボエンジンを搭載した、新型ヴァンキッシュを発表しました。2018年のヴァンキッシュS生産終了で途切れていた車名が、久しぶりの復活です。

新たな12気筒フラッグシップモデル

アストンマーティンは9月3日、12気筒エンジンをフロントに搭載しカーボンファイバー製ボディワークを備える2シーターGTを発表した。今回デビューしたのは3代目となる「アストンマーティン・ヴァンキッシュ」で、スーパーカーのパフォーマンスと最新のウルトララグジュアリーさを兼ね備えたモデルとして開発された。

初代となる「V12ヴァンキッシュ」は2000年に発表され、2004年に「V12ヴァンキッシュS」に進化し2007年まで生産された。2代目は2012年に登場し車名からV12が消える。2016年に「ヴァンキッシュS」が追加され、2018年で生産が終了した。

2018年で途絶えていたヴァンキッシュの車名が久しぶりに復活。
2018年で途絶えていたヴァンキッシュの車名が久しぶりに復活。    アストンマーティン

これまで12気筒フロントエンジンGTのフラッグシップモデルだった限定車の「DBS 770アルティメット」は、最高出力770psで最高速度340km/hをマークしていた。しかし新型ヴァンキッシュではさらにパフォーマンスを突き詰め、最高出力は835ps で345km/hとさらなる高みに到達していることに注目したい。

V12エンジンは835psを発揮

ヴァンキッシュのノーズに収まるのは、クラス最強となる835psを発揮する5.2リッターV12ツインターボエンジンだ。仮想敵は存在しないと謳うが、最高出力、最高速度ともにフェラーリ12チリンドリを上回っている。

新型V12エンジンは、強化されたシリンダーブロックと新設計のシリンダーヘッドとカムシャフト、インテーク/エグゾ-ストマニフォールドとコンロッドを採用。さらには大型インジェクターを組み込むためにスパークプラグを移設するなど、実質的に新設計といえる内容だ。

835psを発揮する5.2リッターV12ツインターボエンジン。
835psを発揮する5.2リッターV12ツインターボエンジン。    上野和秀

ツインターボチャージャーには「ブーストリザーブ機能」が追加された。これはパーシャルスロットル時でも必要なブースト圧より高めておき、ドライバーがフルパワーを要求した時に、蓄積されたブースト圧を開放し即時のレスポンスを実現するというもの。

エンジンはフロントミッドシップで搭載され、Aピラー前のホイールベースを80mm延長し、前後軸間の重量物を中央に配置することにより、前後重量配分は51:49を実現。

この新型ヴァンキッシュに搭載されるエンジンは、熟練のエンジニアにより手作業で組み立てるため、年間1000台以下の限定生産モデルとなる。

ZF製8速オートマティックトランスミッションが採用され、ここにE-diffと称するエレクトロニック・リアLSDを組み合わせる。E-diffはDB12ヴァンテージから導入されたESP(横滑り防止装置)と連携し、ドライバーに対する運転支援と最大限の安定性を確保する。

注目したいのはアストンマーティン・アラコム・フォーミュラ1チームのテクニカルパートナーを務めるバルボリンが、ヴァンキッシュのために開発したエンジンオイルが高性能を支えることだ。このエンジンオイルは熱放出率が50%高く、最適な油温に保たれることにより適正な油圧が維持される。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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