「ドイツ流」のシンプルとコダワリ アウディA1(初代) UK中古車ガイド 小さなゴルフ GTI

公開 : 2024.09.17 19:05

ミニの競合として登場した、アウディA1 洗練され高品質、ミニマリスティック ドイツ流のモノづくりに対するコダワリを感じるデザイン 複数から選べるパワートレイン 英編集部が魅力を再確認

ドイツ流のモノづくりに対するコダワリ

ゴテゴテに盛ったマキシマリズムより、シンプルなミニマリズムの方が、時間が経過しても古くは見えにくい。初代アウディA1のデザインは、まさにその言葉通り。何しろ登場から14年が経過するのに、今でも充分モダンに見える。

シンプルすぎて、特徴が薄いと感じる人はいるかも知れないが、定番ウイスキーのようにいつまでも飽きることはないだろう。ドイツ流のモノづくりに対するコダワリが、細部にまで落とし込まれている。

アウディA1(初代/2010〜2018年/英国仕様)
アウディA1(初代/2010〜2018年/英国仕様)

それでも、2010年に発売されたA1の中古車は、すっかりお手頃になった。同時期のミニと、同等の予算で探すことができる。

アウディの技術者やデザイナーは、近似サイズのミニとイメージが被らないように時間を割いた。1950年代からの伝統が備わらない代わりに、モダンさと一層の高級感が追求され、リアシートにも平均的な大人が過ごせる空間が備わる。

荷室容量は270Lあり、日常的な荷物なら問題なく載せられる。ちなみに、ミニの荷室は160Lだった。

実は、筆者も過去に初代A1を所有していたが、まったく満ち足りた時間を過ごせた。硬めのサスペンションでも、市街地では充分快適。6速MTのシフトフィールは心地良く、1.4Lの4気筒ターボガソリン、TFSIは不満ないほどパワフルといえた。

しかも、燃費は14.0km/Lを軽く超えた。アウディの名にふさわしい、コンパクト・ハッチバックだと思う。

洗練され高品質、ミニマリスティック

英国仕様の場合、A1のエントリーグレードだったのがSE。ヘッドライトはハロゲンで明るくないが、15インチのアルミホイールを履き、クルーズコントロールとヒーター内蔵ドアミラー、パーキングセンサー、6.5インチのポップアップ・モニターなどが備わる。

スポーツ・グレードを選ぶと、アルミホイールは16インチになり、サスペンションも引き締まった。フォグランプが追加され、USBとブルートゥースに対応したステレオも付いてくる。

アウディA1(初代/2010〜2018年/英国仕様)
アウディA1(初代/2010〜2018年/英国仕様)

自分もオーナーの1人だったSラインの場合、ホイールは17インチ。ヘッドライトはキセノンにグレードアップし、テールライトはLEDに。スポーツシートとアンビエントライトも与えられる。見た目は、スポーティなボディキットで差別化もされる。

英国仕様にはブラック・エディションも存在した。18インチ・アルミとブラック・トリムでドレスアップされるが、Sラインの方がコスパは良かった。

英国仕様のパワートレインには複数あったが、1.2L 4気筒ガソリンターボは86ps、1.0L 3気筒ガソリンターボは95psで若干力不足。1.4L 4気筒ターボは124ps、150ps、185psと3段階が年式によって存在する。

1.6Lと2.0L、2種類のディーゼルターボもラインナップされた。どちらも燃費に長けパワフルだが、特に2.0Lの方はAUTOCARでの評価も高い。

クラシカルな雰囲気がお好きなら、このクラスではミニがお決まりだろう。だが洗練され高品質で、ミニマリスティックな雰囲気がお好みなら、A1を検討されてみては?

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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