「ドイツ流」のシンプルとコダワリ アウディA1(初代) UK中古車ガイド 小さなゴルフ GTI

公開 : 2024.09.17 19:05

新車時代のAUTOCARの評価は?

アウディに期待される、インテリアとパワートレインを備えるA1。シトロエンDS3のような奇抜さはない代わりに、プレミアムな雰囲気に溢れ、新たな品質基準を打ち立てたといっていい。

一方で、運転体験は期待ほどではない。フォードフィエスタ並みにサスペンションはしなやかではなく、ルノー・クリオ(ルーテシア)・カップほどコーナーでは安定していない。とはいえ、高速道路では有能だ。

アウディA1(初代/2010〜2018年/英国仕様)
アウディA1(初代/2010〜2018年/英国仕様)

走りでの、アウディらしさは薄め。小さなフォルクスワーゲン・ゴルフ GTIと表現するのが、近いかもしれない。 (2010年11月10日)

オーナーの意見を聞いてみる

ジャッキー・ローゼンバーグ氏

「2016年に、A1 スポーツバックを買いました。新車で。小さなハッチバックを探していたんですが、カッコいいスタイリングと優れた装備に惹かれたんです」

アウディA1(初代/2010〜2018年/英国仕様)
アウディA1(初代/2010〜2018年/英国仕様)

「車内には大人が4名座れ、市街地を駆け回るのに大きさは最適。ドアがコンパクトで、狭い駐車場でも乗り降りしやすいですよ。ただ、純正ナビの表示がイマイチですね。操作系のレイアウトは良いんですけど」

「過去にはBMWを所有していましたが、アウディはもう少しライバルから学ぶべき部分があるかもしれません。それでも、総合的には素晴らしいコンパクトカーだと思います。まだ買い替えは考えていません」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

ディーゼルターボのTDIには、パティキュレートフィルター(DPF)が組まれている。短距離中心で乗り続けていると、フィルターがススで詰まってしまう。ただし、その警告灯が点っても、高速道路を20分程度しっかり走れば自然に燃えて解消される。

走行距離の長い例では、タイミングチェーンの伸びに注意したい。エンジンの冷間時や、高負荷時に唸るような高音が響く場合は、点検を受けたいところ。英国では、交換に600ポンド(約12万円)ほど必要だ。

アウディA1(初代/2010〜2018年/英国仕様)
アウディA1(初代/2010〜2018年/英国仕様)

1.4LガソリンターボのTFSIは優秀。ただし、ターボチャージャーが故障しやすい。交換には2000ポンド(約38万円)前後かかるため、排気ガスに黒煙が混ざらないか、高回転時にホイッスルのような高音が混ざらないか、予め確かめたい。

電気系統

パーキングセンサーは、雨が降っていると実際より障害物が遠い距離でも鳴ることがある。ディーラーで電気系統の調子を診断してもらえる。

インフォテインメント・システムは、USBとブルートゥースへ対応するが、スマートフォンとの接続が安定しないことがある。正常に動作するか、試乗で確かめたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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