こんなのあったの? 知る人ぞ知る「スーパーカー」 ひっそりと “消えた” 珍車 50選 後編

公開 : 2024.09.21 18:25

日産R390(1997年)

R390は、日産がル・マン24時間レースでの優勝を切望していたことから生まれた。プロジェクトがスタートした当時、ル・マンを制したことがある日本車はマツダだけだった。

参加資格を得るには、市販のロードカー仕様を作らなければならなかった。しかし、日産はル・マンを制覇することができず、市販用のR390も1台しか作られなかった。3.5L V8ツインターボにより最高出力650ps、最高速度350km/hを実現するR390は、現在も日産が所有している。開発には、後にジャガーのデザイン責任者となるイアン・カラムも携わっていた。

日産R390(1997年)
日産R390(1997年)

フォルクスワーゲンW12(1997年)

1997年の東京モーターショーでフォルクスワーゲンが5.6L W12エンジン搭載のクーペを発表したとき、消費者の反応が良ければ市販化すると言われていた。このクーペが称賛を集めたことから、1998年のジュネーブ・モーターショーでロードスター仕様が発表された。排気量は6.0Lに拡大され、最高出力600ps、最高速度350km/hを達成する。

2002年のジュネーブ・モーターショーでは、改良型のクーペが披露された。しかし、フォルクスワーゲン・グループ内では当時、W12エンジンを使用するブガッティ・ヴェイロンを筆頭にスーパーカー開発が進められていたため、フォルクスワーゲンブランドからの投入は見送られた。

フォルクスワーゲンW12(1997年)
フォルクスワーゲンW12(1997年)

パラディン525 S(2000年)

パラディン525 S(Parradine 525 S)はスーパーカーのようには見えないかもしれないが、フォード製の32バルブ4.6L V8スーパーチャージャーを搭載し、最高出力525ps、最大トルク63kg-mを発生。0-97km/h加速わずか3.8秒、最高速度330km/hというパフォーマンスを誇る。

まさにスーパーカーと呼ぶにふさわしい性能だが、これはあくまでも宣伝文句であり、誰も公式に検証していないため、パラディン525 Sが本当にスーパーカーだったかどうかはわからない。

パラディン525 S(2000年)
パラディン525 S(2000年)

クヴェール・マングスタ(1999年)

MGローバーが開発したXPower SVを覚えている人はいるだろうか? デ・トマソ・ビグアから始まり、その後クヴェール・マングスタ(Qvale Mangusta)、そしてMG X80に発展した。ブランドとスタイリングは変わったが、全車共通で最高出力320psのフォード製クワッドカム4.6L V8を搭載し、最高速度は約240km/hとされた。

しかし、クヴェールは採算が合わないことに気づき、MGローバーにプロジェクトを移管した。その後、同社が消滅するまでに約82台のXPowerが生産された。

クヴェール・マングスタ(1999年)
クヴェール・マングスタ(1999年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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