こんなのあったの? 知る人ぞ知る「スーパーカー」 ひっそりと “消えた” 珍車 50選 後編

公開 : 2024.09.21 18:25

サリーンS7(2000年)

英国のサリーン(Saleen)は、フォードマスタングをレース用にチューニングしたことで有名な創業者スティーブ・サリーンにちなんで名付けられた。彼が本格的なスーパーカーを作るのは時間の問題だった。

多くのスーパーカーが最先端技術を駆使しているのに対し、サリーンS7は比較的ローテクで、スチール製スペースフレームにグラスファイバーとカーボンファイバーからなる複合ボディを載せ、そこにプッシュロッド式V8を搭載した。シンプルではあるが、猛烈な速さを誇った。

サリーンS7(2000年)
サリーンS7(2000年)

Bエンジニアリング・エドニス(2001年)

1995年に廃業したブガッティの従業員たちは、新たにBエンジニアリング社を立ち上げ、EB110に最高出力680psの3.75L V12を搭載したモデルを発表した。未完成のシャシー一式をベースに、ニコラ・マテラッツィの手による斬新なデザインに仕上げられた。

計画では21台のエドニスを生産するはずだったが、発表から17年も経った2018年にプロジェクトが中止され、米国のカシル・モーターズ社に売却された。

Bエンジニアリング・エドニス(2001年)
Bエンジニアリング・エドニス(2001年)

モスラーMT900(2001年)

あらゆるスーパーカーのデザイン要素を取り入れ、融合させたのがモスラーMT900(Mosler MT900)だ。コルベットZ06のV8、ポルシェ911 GT2のトランスミッション、後輪駆動というユニークな構造と、力強い外観を特徴とする。

サーキットで鍛えられたモスラーのカーボンファイバー製ボディには、チタン製サスペンションスプリング、薄肉のサブフレーム、マグネシウムホイールなどの最先端技術が詰め込まれている。そのため、0-160km/h加速でわずか6.5秒という圧倒的な速さを実現できた。

モスラーMT900(2001年)
モスラーMT900(2001年)

ララキ・フルグラ(2002年)

今度モロッコ車の名前を聞かれたら、ララキ・フルグラ(Laraki Fulgura)と答えよう。2002年のジュネーブ・モーターショーで初めて登場したララキは、2005年にギブアップするまで、毎年新しいスーパーカーを発表し続けた。

ランボルギーニムルシエラゴのようなサラブレッドに対抗するために設計されたフルグラは、フェラーリ360のコピーである。マラネロは激怒したに違いない。

ララキ・フルグラ(2002年)
ララキ・フルグラ(2002年)

メルセデス・ベンツ製の6.0L V12エンジンに4基のターボチャージャーを搭載し、最高出力680ps、最高速度は352km/hを謳っていたが、50万ユーロという価格では買い手がつかなかった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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