こんなのあったの? 知る人ぞ知る「スーパーカー」 ひっそりと “消えた” 珍車 50選 後編
公開 : 2024.09.21 18:25
インヴィクタS1(2003年)
このインヴィクタS1(Invicta S1)は、英国の少量生産メーカーのあらゆる美点を集約した1台だ。比較的マイルドな仕様(最高出力320ps)から非常にワイルドな仕様(同600ps)まで、幅広いオプションが用意され、年間20台売れると期待された。
しかし、一流のスーパーカーメーカーから同じような高性能マシンが発売されていたため、インヴィクタに勝ち目はなかった。2003年に同社が設立され、数年後にひっそりと姿を消したことに誰も気付かなかった。
アスカリKZ-1(2004年)
各メディアは2000年の時点でアスカリKZ-1(Ascari KZ-1)について報じていたが、市販車が発売されたのは2004年のことだった。アスカリはKZ-1の生産予定台数を50台以下としていたが、23万5000ポンドという価格と知名度の低さから、その数字に達したかどうかも疑わしい。
KZ-1はBMW M5(E39世代)のV8エンジンを搭載し、最高出力500ps、最高速度320km/h、0-160km/hはわずか8秒とされた。
ブリストル・ファイター(2004年)
英国のブリストル社は、流行に乗ることを嫌う。ごく少数の理解ある購入者のために、独自のやり方で物事を進める企業だった。ガルウイングドア、タイトなボディ、ダッジ・ヴァイパーのV10エンジンを採用したファイター(Fighter)には、同社の性格が顕著に現れている。
標準車でも最高出力530ps、最高速度338kmhに達するが、これで物足りなさを感じる人のために、2007年には発展型のファイターTが発表された。最高出力1026psを誇り、理論上は430km/h以上出せると言われているが、実際に生産されたのはいずれもごく少数であった。
ジョスJP1(2004年)
2004年に開催されたオーストラリアのモーターショーで、ジョスJP1(Joss JP1)が公開されたときは観衆の期待を集めた。見た目もよく、質感も高かった。さらに、最高出力500psと最大トルク66kg-mの6.8L V8エンジン、ポルシェG50の5速MT、後輪駆動方式を採用している。
しかし、同社にはJP1を発売するための資金力がなく、2014年にクラウドファンディングが実施されたものの、軌道に乗せることはできなかった。
ローテック・シリウス(2004年)
1962年に設立されたローテック社は、2004年に最初の公道向け市販車であるシリウスを発表するまで、モータースポーツを中心に活動していた(前述のC1000はワンオフ車である)。シリウスは創業者のカート・ロッテルシュミットがデザインしたもので、メルセデス・ベンツ製6.0L V12を搭載するが、これまでに作られたのは1台のみと言われている。