こんなのあったの? 知る人ぞ知る「スーパーカー」 ひっそりと “消えた” 珍車 50選 後編

公開 : 2024.09.21 18:25

グンペルト・アポロ(2005年)

ローランド・グンペルトとローランド・メイヤーがタッグを組んで開発したガルウイングドアのスーパーカー。グラスファイバーまたはカーボンファイバー製のボディに、アウディ製の4.2L V8ツインターボを搭載している。

最高出力は650psまたは700psのいずれかを選択でき、前者でも最高速度360km/hに達すると言われている。2013年にグンペルトが倒産するまで、40台以上のアポロ生産されたと推定されている。

グンペルト・アポロ(2005年)
グンペルト・アポロ(2005年)

バラバスTKR(2006年)

ドイツのチューニングメーカーであるブラバス(Brabus)社と間違えないように。こちらは英国のバラバス(Barabus)社が開発したTKRというモデルで、2006年の英国モーターショーでサプライズ発表された。

ボディとシャシーはカーボンファイバー製で、最高出力1020psの7.0L V8ツインターボを搭載。最高速度435km/h、0-97km/h加速わずか1.7秒を達成すると謳われていた。2006年11月に販売開始予定だったが、プロジェクトは頓挫し、2年後にキーティングTKRという名で復活した。後にテストで最高速度420km/h近くを記録しているので、当初の主張は思ったほど空想的ではなかったのかもしれない。

バラバスTKR(2006年)
バラバスTKR(2006年)

SSCアルティメット・エアロ(2007年)

フランスのブガッティ・ヴェイロンが世界最速の市販車として話題をさらった一方、米国のSSCアルティメット・エアロ(SSC Ultimate Aero)はシボレーコルベットの5.7L V8ツインターボを搭載し、公式記録で412km/h、理論的には440km/hが可能とされた。

高性能にもかかわらず、アルティメット・エアロの価格はヴェイロンの半分以下であった。しかし、ブガッティはこの脅威に屈することなく、最高出力1200psのヴェイロン・スーパースポーツを投入し、最高速度431km/hという記録を見せつけたのである。

SSCアルティメット・エアロ(2007年)
SSCアルティメット・エアロ(2007年)

ウェーバー・ファスター・ワン(2008年)

スイスの自動車メーカーであるウェーバー(Weber)は、同車をファスター・ワン(Faster One、速いもの)と名付けたが、本当はアンゲインリー・ワン(Ungainly One、醜いもの)と呼んだほうが適切かもしれない……。存在感があるのは確かだ。

ボディ中央にはツインスーパーチャージャー付きの7.0L V8エンジンが搭載されており、その最高出力は900psに達すると言われている。最高速度400km/h以上と謳われたが、残念ながら実測値ではない。

ウェーバー・ファスター・ワン(2008年)
ウェーバー・ファスター・ワン(2008年)

ファスター・ワンは超軽量のカーボンファイバー製ボディとカーボンセラミックブレーキを装備しており、オプションとしてインターネット接続機能とテレビ付きマルチメディアシステム、サーキット走行用データロガーが用意されていた。燃費の悪いV8にガソリンをたっぷり供給するため、4個の燃料タンクを備えている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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