こんなのあったの? 知る人ぞ知る「スーパーカー」 ひっそりと “消えた” 珍車 50選 前編

公開 : 2024.09.21 18:05  更新 : 2024.09.22 16:22

誰もが一度は憧れるであろうスーパーカー。しかし、この世には「ほとんどの人が知らない」無名のスーパーカーが何十台とある。ここでは忘れられた珍車・迷車を50台紹介する。

忘れられた不運なスーパーカー 50選

成功したスーパーカーブランドもあれば、凋落したスーパーカーブランドはその何倍もある……。

大金を投じて高級車を購入するなら、そのクルマには価格相応の血統を期待するものだ。多くの場合、人はクルマを買うときにブランドに左右されがちだが、特にスーパーカーに関してはブランドが極めて重要だ。

鳴り物入りでデビューし、ひっそりと消えてしまった「無名のスーパーカー」を紹介する。
鳴り物入りでデビューし、ひっそりと消えてしまった「無名のスーパーカー」を紹介する。

過去数十年間、スーパーカーを世に送り出すために新しいブランドが次々と登場したが、長く存続した例はほとんどない。数十のスーパーカーブランドが誕生しては消えていった。今回は、人々の記憶から忘れ去られてしまったブランドとモデルを紹介する。

モンテヴェルディ・ハイ(1970年)

高級スーパーカーといえば、モンテヴェルディ・ハイ(Monteverdi Hai)ほどレアなものはない。デザインの正式な訓練を受けていない故ペーター・モンテヴェルディが設計したもので、たったの2台しか生産されなかった。

クライスラー製の7.0L V8「ヘミ」エンジンを搭載し、最高出力450s、最高速度290km/hを実現している。エアコンやレザーインテリアなどを備えた豪華なスーパーカーであるが、製造品質はいまひとつだったようだ。

モンテヴェルディ・ハイ(1970年)
モンテヴェルディ・ハイ(1970年)

アーガイルGT(1976年)

スコットランド生まれのスーパーカー。1976年、ボブ・ヘンダーソンが最高速度320km/hの新型スーパーカーを作ろうとしたとき、オイルショックで計画が早々に頓挫するとは思いもしなかっただろう。アーガイルGT(Argyll GT)の開発プロジェクトが軌道に乗るのは1977年のことで、納車が始まったのは1984年だった。

しかし、当初計画されていたV8ツインターボが排気量2664ccのV6ターボに格下げされたため、顧客は興味を失ってしまった。

アーガイルGT(1976年)
アーガイルGT(1976年)

パンサー・シックス(1977年)

1970年代後半、 “血中ガソリン濃度” が高めの少年の部屋には、この狂ったハイパーカーのポスターが貼られていた。六輪のレイアウトに、キャデラック製8.2L V8ツインターボをリアに搭載したパンサー・シックス(Panther Six)は、クレイジーなモンスターマシンである。

最高速度は320km/hとされるが、わずか2台しか生産されず、誰もその性能を確認することができていない。1台はレストアされて欧州に現存するが、もう1台(モーターショー出品用)は何年も前に姿を消し、中東のどこかに潜んでいると言われている。

パンサー・シックス(1977年)
パンサー・シックス(1977年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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