こんなのあったの? 知る人ぞ知る「スーパーカー」 ひっそりと “消えた” 珍車 50選 前編

公開 : 2024.09.21 18:05  更新 : 2024.09.22 16:22

イスデラ・インペラートル(1984年)

メルセデス・ベンツは6年の歳月をかけて製作したコンセプトカー「CW311」を1978年に発表するが、市販化には至らなかった。そのため、CW311のデザイナーであるエバーハルト・シュルツが自らイズデラというブランドを使って生産を開始した。

彼はこのスーパーカーを「インペラートル(Imperator)」と名付け、排気量5.0L、5.6L、6.0Lの各種V8エンジンを用意し、最高出力390ps、最高速度280km/hを実現した。生産は1993年のイズデラ倒産まで続き、30台のインペラートルが世に送り出された。今でも時々、40万ポンド(約7700万円)前後で売りに出されることがある。

イスデラ・インペラートル(1984年)
イスデラ・インペラートル(1984年)

チゼータV16T(1989年)

極限のスーパーカーと言える1台。こんなにも車幅が広いのは、排気量5995ccのV型16気筒エンジンを横置き(!)でミドシップに搭載しているためだ。

最高出力560ps、8000rpmという驚異的な回転数を誇り、64個のバルブを駆使して全開走行するときの騒音は、聞く者に畏敬の念すら抱かせるものだ。V16Tは最高速度328km/hに達すると言われていたが、公式なテストは行われておらず、真相は誰にもわからない。1989年にプロトタイプが完成したが、納車が始まったのは1992年、生産が終了したのは2003年だった。

チゼータV16T(1989年)
チゼータV16T(1989年)

ジオット・キャスピタ(1989年)

1989年にジオットが発表したキャスピタ(Caspita)は、「サーキットまで運転し、競技に参加し、そのまま帰宅する、そんな生活ができるクルマ」と謳われていた。

当初はデチューンされたF1用V12エンジンを搭載していたが、1990年にはジオット製のV10に切り替えた。どちらも最高速度320km/h以上とされたが、結局顧客の手に届くことはなかった。

ジオット・キャスピタ(1989年)
ジオット・キャスピタ(1989年)

ベクターW8(1989年)

1976年にコンセプトカーのベクターW2が発表された。デザイナーのジェリー・ウィーガート氏は航空技術に夢中になっていた。このW2の量産バージョンがW8で、1989年にようやく公道走行可能な状態で公開された。当時の価格は45万ドル。

W8の心臓部には最高出力600psのGM製6.0L V8ターボが搭載され、最高速度は320klm/hに達するとされていた。非常に高額であったものの、14台が販売された。1992年には76万5000ドルの後継車、WX-3が登場している。

ベクターW8(1989年)
ベクターW8(1989年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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