10分で「安全」に ランドローバー・ディフェンダーがセキュリティを強化 盗難対策、英国
公開 : 2024.09.11 18:25
ランドローバーは英国でディフェンダーのセキュリティ・アップデートを実施している。無線ではなく、PCを車載コンピュータに直接繋いで行われた作業の様子をお伝えする。
PCを直接繋いでアップデート
(翻訳者注:この記事は英国で行われたセキュリティ・アップデートの様子をお伝えするものです。地域や車種、仕様によってメーカーの対応が異なる場合があります)
ある朝、英国編集部で長期レンタル中のランドローバー・ディフェンダー130で「アップデート」や「リコール」などと表現されるものを実施することになった。数本の電話と「あと30分で到着します」というメールの後、親切な男性がやってきた。
ほとんどのアップデートは無線(OTA)で行われるが、今回は違う。セキュリティ強化のため、運転席の足元にある16ピンのソケットに診断用PCを接続しなければならない。このアップデートは、盗難被害を防ぐため、車両がロックされているときは「CANバス(車載通信プロトコル)」を無効にするものだ。
作業担当者のゲイリー氏によれば、盗難はランドローバーに限った問題ではなく、すべての高級車メーカーの問題であり、このようなアップデート/リコール/その他の対応は、ますます巧妙化する犯罪者とのいたちごっこの一部に過ぎないとのことだ。
制裁措置によりロシアでは正式に販売できないため、盗難車の多くはロシアに行き着くのかと思ったが(一部の不謹慎な近隣諸国では、不思議なことに予想外の販売台数増を記録している)、UAEが典型的な行き先だと聞いている。
トラブルなく10分で完了
このディフェンダーの補強作業は午前8時25分に始まり、窓がちゃんと動くことを2、3回確認した後、午前8時35分までにすべて完了した。アップデートでは時折、いくつかの補助システムが混乱し、何度か再起動が必要になるが、今回はすべて順調だ。
作業中、ランドローバーのリモート・アプリ(保険加入条件としてダウンロードしなければならなかった)を使って、うっかりキーを車内に忘れてしまった場合(例えば給油中)にロックしないようにとのアドバイスも受けた。アプリではロックを解除できないし、キーは車内にある。その通りだ。
とにかく、到着してから10分後にゲイリー氏は帰っていき、ディフェンダーは筆者にとっては以前と変わらない感じがするが、より安全になった。めでたし、めでたし。
実は、もっと待たされるかもしれないと思ったので、アップデートが行われている間に車内を片付けたりしていた。
編集部の同僚が急に使うことになるかもしれないし、大事な人を不潔なクルマに乗せるのは賢明なことではない。とはいえ、今回借りているディフェンダー130アウトバウンドはかなりラフな使い方を想定した冒険仕様なので、できるだけそのように使おうとして、あえて干し草や馬の餌でトランクを汚すことにしたのだ。