2024年更新版 1台あれば何でもできる! 合理的で優れたステーションワゴン、今注目のモデル 10選

公開 : 2024.09.22 18:05

2. BMW 5シリーズ・ツーリング

長所:スタイリッシュなキャビン。パワフル。洗練されたインフォテインメント・システム。
短所:やや不安定な乗り心地。BMWの卓越したハンドリングに欠ける。アダプティブ・サスペンションが標準装備ではない。

現在、BMW 5シリーズ・ツーリングの新型が販売されているが、本稿執筆時点でAUTOCARはまだ試乗できていない。しかし、先代モデルは今でもあらゆる方面をカバーする万能マシンであり、他の追随を許さない。

2. BMW 5シリーズ・ツーリング
2. BMW 5シリーズ・ツーリング

エレガントなスタイル、魅力的な走り、多用途に使える広さ、そしてユーザーの利便性を追求した機能群を備えた、多才なドイツ車である。

この世代のトランク容量は560L(PHEVモデルで430L)と平均的なものだが、荷室の形状はよく、開閉機構付きのリアガラス(ガラスハッチ)により狭い場所でも小さな荷物の積み降ろしが簡単だ。40/20/40の分割式後部座席を折りたためば、1700Lの大容量になる。

リアアクスルにはエアサスペンションが用意され、重い荷物を積んだときのセルフ・レベリング機能と、アダプティブ・ダンパー(オプション)との組み合わせにより快適性を高めている。

それでいて、BMWの「駆けぬける歓び」というスローガンが崩れることはない。肉厚なステアリングと高い敏捷性によって、ボディサイズや質量をうまく隠している。

この世代では高性能のM5ツーリングはないが(新型に設定)、繊細かつホットなアルピナB5ツーリングはある。ただし、どちらもトランクをいっぱいにするほどのお金が必要だ。

3. ダチア・ジョガー

長所:クラストップのコストパフォーマンス。使い勝手の良い3列目シート。経済的なエンジン。
短所:一部の安全システムに欠ける。居住空間は大人には十分でない。パワートレインの洗練性にやや欠ける。

ルーマニアの自動車メーカーでルノー傘下のダチアが欧州市場で販売するジョガー。日本では無名のモデルだが、果たしてこれはステーションワゴンなのか、ミニバン(MPV)なのか、あるいはSUVなのか、触れた人によって意見が分かれると思う。確かに7人乗りで車高もそこそこ高いが、筆者はステーションワゴンだと捉えている。

3. ダチア・ジョガー
3. ダチア・ジョガー

ここ数年の生活費の高騰を考えると、ダチア・ジョガーは特に歓迎すべきモデルだ。一般的なハッチバックよりも大幅に安い価格で、3列シートと高い実用性を備えている。

安いからと言って、快適な乗り心地を犠牲にしているわけではない。確かに、内装のプラスチックは硬く、肌触りのいいレザーシートもないが、ファブリックやアルミ調トリムをうまく使うことで好印象に仕上げている。

上級グレードにはシートヒーター、クルーズコントロール、ナビ、そして機能的なインフォテインメント・システムが追加される。

搭載される1.0Lガソリンエンジンはパワフルではないが、キビキビと決まる6速MTのおかげで十分に扱える。筆者のおすすめはシンプルなガソリン車だが、どうしてもATが必要なら、非常に優れた経済性を発揮するハイブリッド車もある。

ソフトなサスペンションで乗り心地は良く、また全体のバランスに優れ、曲がりくねった道でも走りを楽しめる。欧州の安全性評価機関ユーロNCAPで「1つ星」の最低評価を受けてしまったが、これは決して “危険な乗り物” というわけではない。一部のアクティブ・セーフティ・システムがないことから減点となったが、衝突時の乗員保護性能は他車と遜色ないレベルだ。

ダチア・ジョガーは、比較的安価な価格で多くの楽しさを提供してくれる、陽気で快適なパッケージである。高級車とは正反対のキャラクターだが、好きにならないわけがない。

記事に関わった人々

  • イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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