2024年更新版 1台あれば何でもできる! 合理的で優れたステーションワゴン、今注目のモデル 10選

公開 : 2024.09.22 18:05

8. フォード・フォーカス・エステート

長所:俊敏で遊び心のあるシャシー。人間工学的に優れる。走りが楽しい。
短所:高速道路での燃費が悪い。地味で安っぽいインテリア。選択肢の限られたパワートレイン。

日本では馴染みが薄いかもしれないが、欧州では何十年にもわたって、フォードの中型車(エスコートやフォーカス)はファミリーカーとして「定番」の地位を築いてきた。しかし、SUVの台頭によりフォーカスも疎外されつつあり、2025年の生産終了後は後継車の計画がない。

8. フォード・フォーカス・エステート
8. フォード・フォーカス・エステート

AUTOCARはフォーカスをたいへん気に入っている。プレミアム感に関して言えばプジョー308 SWに劣るが、ドライビングやクルマを操ることが好きな人にとっては数少ない選択肢の1つとなるだろう。

フォーカスはマイルドハイブリッド付きの1.0L 3気筒エンジンを搭載し、6速MT付きの最高出力125psのバージョンと、7速DCT付きで155psのバージョンがある。

どちらも優れているが、筆者は安価なMT車をおすすめしたい。「ホットハッチ」というほどではないが、とてもナチュラルで満足のいく運転体験を提供してくれる。また、編集部で最高出力155psのDCT車の長期テストを行ったところ、平均燃費24.6km/lを記録した。マイルドハイブリッドのガソリン車としてはかなり印象的だ。

最近のマイナーチェンジでは、巨大なマルチメディア・スクリーンが導入された。残念ながら物理的な空調コントロールは廃止されてしまったが、実を言うと、それでも機能性は十分に高い。

フォーカス・エステートは実用的で、見た目の威圧感もない。トランク容量は608Lで、後部座席をフラットに折りたたむと1653Lになる。単に大きいだけでなく、脱着が簡単なカバーなどの実用的な機能もある。

9. トヨタカローラ・ツーリング

長所:優れた経済性。驚くほど優れたハンドリング。快適な乗り心地。
短所:トランスミッションの「マニュアル」モードは形だけ。キャビンの装備が残念。貧弱なインフォテインメント・システム。

少し前まで、トヨタ・カローラは平凡な乗り物の代名詞だった。耐久性と信頼性は高いが、平坦で魅力に乏しいクルマでもあった。しかし、第12世代となる現行型は、これまでの長所をすべて備えつつ、スタイルと走りの魅力度が大幅にアップしている。

9. トヨタ・カローラ・ツーリング
9. トヨタ・カローラ・ツーリング

ステーションワゴンの「ツーリング」ではさらなる実用性も得られる。TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)により上質な乗り心地とハンドリングのバランスに恵まれ、走りが楽しいだけでなく、快適かつ洗練されたクルマに仕上がっている。

英国仕様はハイブリッド車のみの設定だが、排気量は1.8Lと2.0Lから選べる。1.8Lハイブリッドは2023年のマイナーチェンジで最高出力140psに大幅パワーアップし、十分なパフォーマンスを備えている。

2.0Lハイブリッドは最高出力195psとさらにパワフルで、軽快な走りが楽しめる。性能重視のマシンではないが、いずれも経済性は良好だ。1.8Lは混雑した一般道でも驚くほど低燃費だが、高速道路で長距離を走るなら2.0Lの方がいいかもしれない。

インテリアは「上質」と言える水準には達しておらず、インフォテインメント・システムもパッとしないが、適度に広く、頑丈に作られている。トランクにも十分な広さがあり、低いフロア高と適切な荷室形状の恩恵を受けられる。

なお、1.8Lハイブリッドのトランク容量は696Lだが、2.0Lハイブリッドではバッテリー配置の影響で581Lとなる。1.8Lの方が広くて実用的、かつ経済的なのだ。

いずれにせよ、現代のカローラがスタイル、走り、使い勝手など幅広い魅力を備えていることは確かだ。

記事に関わった人々

  • イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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