おめでとう30歳! アウディRS2でユーロトンネルを抜ける ポルシェと共作の象徴的ワゴン

公開 : 2024.09.22 19:05

ドイツの自動車業界を巻き込んだ象徴

英国のEU離脱、ブレグジットの影響には、すぐに追われたそうだ。複雑な通関規制へ対応し、トラックなどを運ぶ必要があった。現在は、電子化された国境通過システムによって、迅速に処理されている。手続きは、従来より約1分伸びただけとのこと。

「ル・シャトルは、環境へ非常に優しい交通手段です。CO2の排出量は、フェリーより遥かに少ない。電気で走りますから。バッテリーEVのユーザーなら、私たちのサービスを利用しようと考えてほしいですね。環境負荷の改善にも、常に積極的です」

アウディRS2 アバント(1994〜1995年/英国仕様)
アウディRS2 アバント(1994〜1995年/英国仕様)

「世界的にも、象徴的なものだと思います。この30年間、私たちと似たサービスを提供するところは、1つも表れませんでした」。メレンズが続ける。

RS2は、ドイツの自動車業界を一気に巻き込んだ。BMWメルセデス・ベンツは、より敏捷な後輪駆動の高速ステーションワゴンで対抗。アウディ自身もRS4とRS6を投入し、天候を問わない能力を磨き込んできた。

アウディ・スポーツは、電動化の道を歩もうとしている。それでもこの特徴は、次世代にも受け継がれることだろう。

さらに30年後、RS2は完全なクラシックカーになっているはず。マニアの間では、これからも象徴的な存在であり続けるのではないかと思う。筆者も、すっかり魅了されてしまった。

アウディRS2 アバント(1994〜1995年/英国仕様)のスペック

英国価格:4万5705ポンド(1994年時)
全長:4496mm
全幅:1702mm
全高:1397mm
最高速度:262km/h
0-97km/h加速:5.4秒
燃費:6.4-9.2km/L
CO2排出量:−
車両重量:1595kg
パワートレイン:直列5気筒2226cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:319ps/6500rpm
最大トルク:41.6kg-m/3000rpm
ギアボックス:6速マニュアル(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブン・ドビー

    Stephen Dobie

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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