プジョーe-3008 詳細データテスト 快適で取り回し良好 効率はクラス平均並み 走りは物足りず

公開 : 2024.09.14 20:25  更新 : 2024.09.19 03:59

内装 ★★★★★★★★☆☆

ライバルたちは長いホイールベースとフラットなキャビンフロアによるパッケージングのアドバンテージを最大限活用し、EVならではのスペースを印象付けているが、e-3008はやや異なる。

目指すのは開放感よりも、高いウェストラインと贅沢なマテリアルに包まれるような雰囲気。フロントバルクヘッドはかなり高めだが、これはこのクルマの操作系とディスプレイのコンセプトを実現するために必要で、同時にウインドウライン下部との連続性も産んでいる。

プジョーの特徴的なiコクピットコンセプトは見直しが図られ、メーターパネルはステアリングホイールによって遮られにくい高さに設置された。
プジョーの特徴的なiコクピットコンセプトは見直しが図られ、メーターパネルはステアリングホイールによって遮られにくい高さに設置された。    MAX EDLESTON

フロント左右席の間を占めるのは、ドライバーに包まれ感をもたらす、2層式の高いセンターコンソール。上の層には実体式の走行モードセレクターや空調スイッチが、下の層にはふんだんな収納スペースが備わり、センターアームレストへとシームレスにつながる。

3座の後席には、中央の足元に小さなフロアの盛り上がりがある。スペースは、小柄な大人やティーンエイジャーなら快適だが、もっと広い5シーターがいくらでもあるクラスでは、居住性が際立つものではない。

荷室スペースは、ウインドウ下までの実測でセニックE-テックとほぼ同等だが、モデルYアイオニック5には後れをとる。それより上の部分は、傾斜したリアハッチに侵食されている。

運転席周りは、すっかりおなじみになったプジョーのi-コクピットの大幅改訂版。ステアリングホイールは小径で、膝の上の低い位置にあるのは相変わらずだが、メーターパネルは高くなり、21インチの曲面ディスプレイへ一体化。ドライバーの眼前からセンターコンソールの上方あたりまで横断する。高さが上がったことで、リムで計器類の視認性が妨げられることは減った。

フロントシートの快適性はすばらしい。クッションの傾斜調整を備え、サポートに優れ、調整範囲も広い。

キャビンの全体的なマテリアルの雰囲気や質感もみごと。下位グレードのアリュールはダッシュボードのトリムが魅力的なテキスタイルで、二次的な操作系やマテリアルの手触りもいい。ドイツのプレミアム勢やスウェーデンのブランドに対抗しうるプレミアム感を手にしたというプジョーの言い分にも納得できる。

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