【モントレー・カーウィーク】 チケット3000名は即完売!  クエイルはポスト・モーターショー

公開 : 2024.09.10 17:45  更新 : 2024.09.10 19:20

モーターショーの代わりとなる受け皿

これはまさにモーターショーそのものだ。

インドアの国際モーターショーが方向転換を迫られ、少量生産モデルの祭典としてのジュネーブ・ショーも開催に漕ぎ着けることができない今、まさにこのクエイルがその受け皿になっている。

最近のトレンドは、こちらのシンガーを始めとしたレストモッド。
最近のトレンドは、こちらのシンガーを始めとしたレストモッド。    越湖信一

それにこれらラグジュアリーブランドに強い関心のある顧客が会場には溢れている。決して安くないエントリーフィーにも関わらず、3000名前後のみとなるチケットも即完売だ。クエイルのビジターは、相当に気合いが入ったエンスージアストの方々なのである。

もうひとつ加えるなら、近年クエイルのトレンドはレストモッドである。ルーフがレストモッドであるかはともかく、彼らはフラット6ターボAWDの「オフロード911ルーフ・ロデオ」というとんでもなく凝ったニューモデルを今回アンベールしたし、ガンサーワークスも大きなスタンドを構える。

もちろんシンガーもトップのディキンソン氏が登場し、英国の新ファクトリーで生産されるDLSターボのアピールにも余念がない。トゥーリング・スーペルレジェーラも少々方向性を変えたのか、フェラーリ550マラネロ・ベースとしっかり謳った「ヴェローチェ12」と称すモデルを発表している。この方向性も興味深い。

もちろんクラシックのカテゴリーにも、911(930)ターボ50周年、カスタムコーチワーク、スーパーカーの進化などという魅力的なコンテンツが揃っている。コンクールデレガンスは1937年ドライエ・タイプ145 V12コンペティションが獲得した。

問題は、このあまりに濃縮されたコンテンツを午前9時から午後4時の開場時間で見切れるかということだろう。会場ではイタリアン、メキシカンなどペニンシュラご自慢の料理やカクテルが無料で食べ放題、飲み放題だから、そんな所に食指を延ばしていたら、ますます時間がなくなってしまうのである。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    越湖信一

    Shinichi Ekko

    イタリアのモデナ、トリノにおいて幅広い人脈を持つカー・ヒストリアン。前職であるレコード会社ディレクター時代には、世界各国のエンターテインメントビジネスにかかわりながら、ジャーナリスト、マセラティ・クラブ・オブ・ジャパン代表として自動車業界にかかわる。現在はビジネスコンサルタントおよびジャーナリスト活動の母体としてEKKO PROJECTを主宰。クラシックカー鑑定のオーソリティであるイタリアヒストリカセクレタ社の日本窓口も務める。
  • 編集

    平井大介

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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