日産「初の高性能EV」を欧州で公開 新型アリアNISMO、2025年1月発売へ 専用デザイン採用

公開 : 2024.09.10 06:25

日産は新型「アリアNISMO」を2025年1月に欧州市場で発売する。欧州初のNISMO仕様のEVで、フォーミュラEの技術を応用したエアロと、専用のシャシー設定を採用した。

435馬力のツインモーター搭載

日産自動車は9月9日、新型EVの「アリアNISMO」を欧州で発表し、2025年1月に発売予定とした。モータースポーツに由来するエアロパーツを装着し、スポーツカー並みのパワーを備えた高性能モデルだ。欧州向けの価格は未定。

欧州初のNISMO仕様のEVであり、すでに現地で販売されているアリアe-4orceをベースに、スロットルの調整、専用のドライビングモード、アグレッシブなエクステリアデザインを採用した。

欧州で公開された日産アリアNISMO
欧州で公開された日産アリアNISMO    日産

標準車と同じツインルモーターによる四輪駆動だが、合計出力は130psアップの435psを発生する。最大トルクは61.2kg-mと変わらない。これにより、アリアNISMOの0-100km/h加速タイムは5秒と、標準車より0.1秒速くなった。

ライバルのフォルクスワーゲンID.4 GTXよりはかなり強力だが、フォードマスタング・マッハE GTよりわずかに劣る。

バッテリーは従来と同じ87kWhを使用する。

日産によれば、各車輪に送られるパワーを1秒間に1万回調整する四輪駆動システムのおかげで、路面グリップが向上したという。 前後60:40のリアバイアスにより、標準車と比較して「スポーティなフィール」を獲得しているとのことだ。

また、サスペンションのセットアップとステアリングのチューニングを見直すことで、高速走行時の敏捷性が向上し、ボディコントロールも改善された。新しい「NISMO」ドライビングモードでは、スロットルとステアリングのレスポンスをさらに高める。ブレーキ性能を向上させる「i-Booster」設定も追加された。

フロントスプリッター、ルーフ上のヴォルテックスジェネレーター、サイドスカートとリアバンパー、ダックテールスポイラーなどのエアロパーツは、日産のフォーミュラEチームの協力を得て開発されたものだ。可能な限りダウンフォースを与えると同時に、空気抵抗を減らし、ボディ周りの空気の流れをスムーズにする。

インテリアは標準車とほぼ同じだが、サポート性の高いスポーツシートはスエードと赤いピンストライプで縁取られている。

新型アリアNISMOの欧州市場での納車は1月から開始される予定だ。英国では今月末から、右ハンドル車の購入に向けた優先アクセス権がディーラーで入手できるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事