【モントレー・カーウィーク】 イベントが年々増殖!  8月中旬はお祭り騒ぎ

公開 : 2024.09.12 17:45

感動のラグナセカ・スピードウェイ

「コークスクリュー」が有名な西海岸の伝統的なサーキットである「ラグナセカ・スピードウェイ」も地道に盛り上がっている。

モントレー・カーウィークの4日間は「ロレックス・モントレー・モータースポーツ・リユニオン」として分刻みでクラシックカーレースが行われる。

コークスクリューでお馴染みの伝統的サーキット、ラグナセカ・スピードウェイ。
コークスクリューでお馴染みの伝統的サーキット、ラグナセカ・スピードウェイ。    越湖信一

パドックも探索するだけでも楽しい。今年はマセラティがサーキット専用モデルであるMCエクストレーマの第1号車両が北米上陸を果たし、ここラグナセカにてシェイクダウンを行った。

ステアリングを握るのは当モデルの開発ドライバーにして、MC12でFIA GTで頂点を獲得したアンドレア・ベルトリーニであった。

1965年メキシコ・グランプリでリッチー・ギンサー選手がホンダとして初優勝を飾ったRA272がF1参戦60周年を記念してサーキットランが行われたのも、日本人として誇らしい。また何ともクラシカルなエグゾーストノートが聞こえると思えば、ブガッティ・タイプ35がブリッピングしているではないか。

そして、まもなく始まったのが、この珠玉のクラシックは最新のレーストラック専用モデルであるブガッティ・ボライドとのランデブー走行。こんな素晴らしい物を見ることのできるラグナセカは、本当に素晴らしい!

オークション動向は如何に?

モントレー・カーウィークは、クラシックカーオークションにおいても、最も大きな影響力を持つ。

要は世界の年間取引の半分以上が、このモントレー・カーウィークで決まるのだ。だからこのオークション動向が、トレンドを決めることになる。

オークションの中心は相変わらずフェラーリとなっている。
オークションの中心は相変わらずフェラーリとなっている。    越湖信一

今、クラシックカーオークション界は大きな変革期にある。つまりリアルなオークションマーケットをネットオークションが浸食しつつあるのだ。特にミドルレンジより下は圧倒的にネット系が優勢。RMサザビーズ、グーディングの2強はパワーを増す中で、ボナムズあたりはかなり厳しいのが現状であろう。

ちなみに期間中の落札金額トップはフェラーリ250GT SWBスパイダー(1705万5000ドル)で、第2位がアルファ・ロメオ 8C 2900Bルンゴ・スパイダー (1403万ドル)。しかし、マーケットは少し前の売り手市場から買い手市場へと大きく変化しているようだ。

期間中の総取引金額は、コロナ禍バブルであった2022年と比較すると昨年はかなり落ち込んだが、2024年もそれをリカバーすることなく、さらに小幅の落ち込みとなった。

傾向として重厚なクラシックカーへのビッドが落ち込み、比較的新しいコンペティションモデルや発売から間もないハイパフォーマンスカーが好調となっている。

ポルシェ911GT1(704万5000ドル)や、フェラーリ333 SPエボルツィオーネ(512万ドル)などが高いビッドを受けた。相変わらずフェラーリ集中な点は変わりない。

ちなみにラグナセカ・スピードウェイでは、ネットオークションの大手である「ブリング・ア・テイラー」が「オフ会」を開催しており、大いに盛り上がっていたのが印象的だった。しかし、ネットオークションのオフ会で盛り上がるというのも、考えると少し不思議な現象に思えた。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    越湖信一

    Shinichi Ekko

    イタリアのモデナ、トリノにおいて幅広い人脈を持つカー・ヒストリアン。前職であるレコード会社ディレクター時代には、世界各国のエンターテインメントビジネスにかかわりながら、ジャーナリスト、マセラティ・クラブ・オブ・ジャパン代表として自動車業界にかかわる。現在はビジネスコンサルタントおよびジャーナリスト活動の母体としてEKKO PROJECTを主宰。クラシックカー鑑定のオーソリティであるイタリアヒストリカセクレタ社の日本窓口も務める。
  • 編集

    平井大介

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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