トヨタGT86(2012年)

2.0Lの2+2スポーツカーであるトヨタGT86(日本名:トヨタ86)は、後輪駆動と細いタイヤという基本に立ち返ったデザインで、実際、かなり「ベーシック」なクルマに仕上がっている。

それは必ずしも良い意味でではなく、キャビンは閉塞感があり、質感も安っぽかった。ハンドリングはオーバーステアが特徴で、週末にイベント会場でドリフトを楽しむ分には問題ないが、雨に濡れた公道ではお荷物かもしれない。

トヨタGT86(2012年)
トヨタGT86(2012年)

そして、中回転域のトルクが明らかに不足しており、日常的なドライビングで活気ある走りをするには不向きだった。オールラウンドに優れたマツダMX-5が実証しているように、必ずしもこのような特性にする必要はない。後継となる新型GR86は、先代のレシピを受け継ぎながらもこうした弱点を改善している。

(翻訳者あとがき:AUTOCARの英国記者は辛口で、辛辣で、やや冷笑的な一面もありますが、この記事はクルマの偏ったイメージや評価を補正することを目的として書かれたものです。欠点をあげつらって批判することは意図するところではありません。実際、特にトヨタGT86に関しては、英国記者も最高レベルの評価を与えて絶賛しています。欠点は場合によって美点となり得ますし、一度好きになれば「あばたもえくぼ」として愛せてしまうのもまた事実だと思います)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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