ホンダ・シビック・タイプRが最終の寒冷テストに

公開 : 2015.01.15 22:20  更新 : 2017.06.01 02:11

この春に発売が予定されているホンダシビック・タイプRが、最終の寒冷テストを受けている。シビック・タイプRは、この3月から生産が開始される予定のモデルだ。

シビック・タイプRは、昨年9月のパリ・モーターショーでプレビューが行なわれ、3月のジュネーブ・モーターショーで正式なプロダクション・モデルがベールを脱ぐことになっている。英国では、パリ・モーターショーが開催された昨年9月から既にオーダーを受付けているという。しかも、注文には£3,000(53万円)のデポジットが必要というのは、この手のクルマでは先例がないとう。

ホンダは、このシビック・タイプRを、今までのタイプRとは比較にならないとし、センセーショナルなドライビング・エクスペリエンスを提供するモデルとしている。そして、パフォーマンス・スポーツ・メーカーとしてのホンダの地位を確立するためにも重要なモデルであるとコメントしている。

このシビック・タイプRは、ヨーロッパで設計がされ、その生産は英国のスウィンドンの工場で行われる。

もちろん、このシビック・タイプRが注目されるのは、メガーヌルノースポールRS275トロフィーRがニュルブルクリンク・ノルドシェライフェで打ち立てた量産FWDモデル最速の7分54秒3を切ったと噂されているからだ。

エンジンは2.0ℓのi-VTECガソリン・ターボで、現時点でアナウンスされているスペックは、280ps以上であるということだけ。エンジニアリング関係者によれば、300ps以上、あるいはそれより上である可能性もあるという。トルクは2000rpmで41.5kg-mだと、その関係者は語っていた。0-100km/h加速は6秒未満であることは確実だ。

また、このエンジンはユーロ6のエミッション規制に対応しており、レブ・リミットは7000rpmだという。

シビック・タイプRのプロジェクト・リーター、蓮子末大(はっしすえひろ)は、「かつてホンダでは4つのタイプRを制作した。シビック、インテグラ、アコード、そしてNSXだ。しかし、今回のシビック・タイプRのエンジン、トルク、レスポンスはそれらのモデルに搭載されたエンジンとは比較にならない。」と語った。

また、面白いのは流行のデュアル・クラッチを敢えて採用せずに6速マニュアルをトランスミッションに採用したことだ。ホンダによれば、これは “ドライバーが操る楽しさを最大限にする” ためのものだという。

「マニュアル・トランスミッションは、ドライバーがギアを選択することができるということ。例えば、コーナーのアプローチに際して、5速から一気に3速へシフト・ダウンすることも可能だ。新しいシビック・タイプRのコンセプトは、ドライバーズ・カーであること。これに関して言えば、マニュアル・トランスミッションは最高のオプションとなると考えている。」と蓮子は語った。

また、エンジン以外にもダイナミックな装備がされている。4ポイントのアダプティブ・ダンパー・システムもそのひとつ。快適な乗り心地を求める場合はそれに対応し、ハイ・パフォーマンスなハンドリングを求める場合には機敏で固い設定となる。また、トルクステアを減らすための “ステア・アクシス” メカニカル・システムもフロント・サスペンションに採用されている。

また、”+R” ドライビング・モードなるものも用意される。ステアリング・ホイールの “+R” ボタンを押すことで、エンジン・レスポンスが向上し、トルク・マッピングなどもパフォーマンスにフォーカスしたものとなり、ステアリング・レスポンスも向上し、ダンパーがハードになるという。

「デフォルトのスタンダード・モードにおいても、シビック・タイプRは、例外的に機敏なモデルだ。しかし+Rモードではよりダイナミックになり、レーシング・モデルなみのセットアップとなる。」と蓮子はコメントしている。「その違いは大きく、+Rボタンは極端なもの。サーキットに最適なモードで、本物のスポーツ・ドライビングを求める人に有用なものだ。」

そのスタイルは、世界ツーリング・カー選手権に参戦するレーシング・モデルからのインスピレーションを受けたもので、コンセプト・モデルで採用された要素はすべて残る。ベースとなるシビックよりも車高は30mmほど低くなり、巨大な前後のスポイラー、大きくフレアしたホイールアーチなどによって武装される。また、ブレーキにはハイパフォーマンスなものが使用され、エアロダイナミックに優れたダウンフォースの大きいボディ・キットも大きな特徴である

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