アストン マーティン・ラゴンダ・シリーズII(1976年)

ウェッジデザイン、ポップアップ式ヘッドライト、長大なボンネット、17フィート(約5.2m)のロングボディは、アストン マーティンが生んだ狂気のスーパーセダンのほんの一部に過ぎない。ラゴンダの室内には、大型デジタル・スクリーン上で時速表示(mphとkph)を切り替えることができる、世界初の高感度タッチスイッチが装備されている。

また、夜間走行用に「必須機能のみ」にするボタンがあり、これを押すと現在時刻、速度、燃料残量だけが表示される。これらはすべて、時代を先取りしたものだった。実際、あまりにも先進的過ぎて信頼性に欠け、 14年間の生産期間中、目立った機能の多くが徐々に廃止されていった。しかし、今日のスクリーンとタッチパネル中心のデザインは、このラゴンダから始まったのである。

アストン マーティン・ラゴンダ・シリーズII(1976年)
アストン マーティン・ラゴンダ・シリーズII(1976年)

ローバーSD1(1976年)

SD1には非常にアバンギャルドなダッシュボードが採用され、6連メーターと運転席ドア脇のボタン、突き出たインストゥルメント・パネルなど、特別な要素がいくつかあった。助手席の真正面にはエアベントがある。MTかATかにかかわらず、センターコンソールのエアベントの横には、現在のギアを知らせるプレートが置かれている。

このダッシュボードには、コスト削減という目的が巧妙に隠されていた。計器ブロックは、左ハンドルと右ハンドルのどちらでも生産しやすいように、左右どちらにも簡単に配置することができたのである。

ローバーSD1(1976年)
ローバーSD1(1976年)

いすゞピアッツァ(1980年)

ピアッツァのダッシュボードは、乗員から見れば平均的なものかもしれない。しかし、ドライバーはスイッチ類の操作に熟練を要する。ステアリングホイールの両脇に2つの大きなコントロールパネルがあり、ワイパーからヒーター、ファンのコントロールまで、すべてを操作できる。奇想天外で忘れがたいデザインだ。

いすゞ・ピアッツァ(1980年)
いすゞ・ピアッツァ(1980年)

アウディ・クワトロ(1980年)

アウディの四輪駆動伝説の始祖と言えるクワトロは、エッジの際立つシャープなデザインを持ち、その特徴はインテリアにも引き継がれている。特別なのはそのインテリアが狂おしいほど質素だったことだ。

クワトロは高性能車だが、それを誇示するような派手なカラーやエキセントリックなスイッチはない。その代わり、使い勝手の良いダッシュボードがあり、1984年以降はデジタル・ディスプレイが装備された。ラジオの下には、トルセン式ディファレンシャルの表示、電圧計、オイル温度計がある。

アウディ・クワトロ(1980年)
アウディ・クワトロ(1980年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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