ランチア・トレヴィ(1980年)

トレヴィの外観は、真面目に作られた事務用品のように堅実で、エアロダイナミクスのことはおそらくホッチキスと同程度にしか考えられていない。ランチアは建築家を起用して「スイスチーズ」風のダッシュボードをデザインし、世界的な論争を巻き起こした。あえて他とは違うことをしたランチアの姿勢を称えたい。

ランチア・トレヴィ(1980年)
ランチア・トレヴィ(1980年)

ルノー25(1983年)

上級モデルであるルノー25では、インテリアをデジタル・ディスプレイで埋め尽くすのではなく、雰囲気よりも形状を重視した。ダッシュボードは奇妙な形で、天井に向かって高くせり出している。

シフトレバーの脇に補助的なコントロールを配置し、むやみにボタンを散らしていない。横から見ると、ダッシュボードは大きな波のようで、フランスの暖かい夏の日にはインストゥルメント・パネルが見やすくなっている。

ルノー25(1983年)
ルノー25(1983年)

シボレーコルベットC4(1984年)

C4ではすべてが新しくなった。流麗なシルエットは現代的で、シャシーもインテリアも最新だった。コルベットC4は、3つのディスプレイを備えたLCDメータークラスターを初めて標準装備した市販車である。ダッシュボードは直線的なエッジを持ち、工業的な印象を与える部分も多く、同時代の他のスポーツカーとは一線を画している。

 シボレー・コルベットC4(1984年)
シボレー・コルベットC4(1984年)

アルファ・ロメオ90(1984年)

外観を見る限り、アルファ・ロメオ90に特別な感じはなく、同時代のトヨタ・カリーナやオースティン・モンテゴとよく似ている。しかし、車内に入ると、ジェット戦闘機のコックピットを思わせる未来的なインストルゥメント・パネルが目に飛び込んでくる。

ダッシュボードはシャープなエッジとフラットなパネルで構成され、オプションで助手席側から引き出せるスーツケースも用意されていた。

アルファ・ロメオ90(1984年)
アルファ・ロメオ90(1984年)

スバルXT 4WD 1800ターボ(1985年)

XT(日本名:アルシオーネ)は、時代が忘れたターボチャージャー搭載のウェッジシェイプ・スポーツカーだ。ダッシュボードは安っぽいプラスチックで作られていたかもしれないが、スイッチギア、デジタル・ディスプレイ、L字型スポークのステアリングホイールが素晴らしさを際立たせている。

ダッシュボードにスイッチ類を取り付けるだけでは不十分だったのか、XTではステアリングホイールのすぐ後ろに2枚の翼のようなコントロールユニットを配置した。3Dディスプレイのスイッチを入れると、バックライトのオレンジと赤の色の組み合わせが妙に魅惑的だ。

スバルXT 4WD 1800ターボ(1985年)
スバルXT 4WD 1800ターボ(1985年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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