2024年版 見た目も走りも「バツグン」な小型車 本当の意味で “エコ” な欧州Aセグメントの宝石 10選

公開 : 2024.10.05 18:05

燃費向上やCO2削減などが叫ばれる中、なぜか苦境に立たされている小型乗用車たち。大型電動SUVよりも環境負荷が低くおサイフにも優しい、優れたAセグメント車をピックアップする。

経済性と満足感を両立する小型車トップ10

エネルギー消費量を減らすことが奨励されている今、少ない材料で生産でき、燃費も良い小型車は、なぜか肩身の狭い思いをしている。

車重2500kgのプラグイン・ハイブリッドSUVの方が「環境的に許容できる」とする法律によって、市場から締め出されているのだ。なんという皮肉だろう。

優れた欧州Aセグメント車をランキング形式で紹介する。
優れた欧州Aセグメント車をランキング形式で紹介する。

だからこそ、改めて小型車の魅力にフォーカスを当てたい。小型車は窮屈で、スパルタンで、安っぽいと思っている人は、もう一度考え直した方がいい。

実際、欧州で「Aセグメント(別名:シティカー)」と呼ばれる小型車クラスはかなりのスピードで進化しており、都会のコンクリート・ジャングルを駆け回ったり、高速道路をひたすら走ったりと、日常の移動手段として十分に対応できる。

さらに、細いタイヤ、低い車体、活発なエンジンによって、しばしばスリルあるドライビングを楽しませてくれる。自動車業界の序列における地位に見合わないほどの魅力があるのだ。

ここでは、低いランニングコストと驚くほど濃厚な個性を併せ持つ魅力的なシティカー(一部例外あり)のトップ10を紹介する。ランキングと評価はAUTOCAR英国編集部が欧州で行った試乗レビューを基にしている。

1. ヒョンデi10

長所:すっきりとした新しい外観。室内空間の広さと装備。4気筒エンジンはこのクラスとしては強力。
短所:ハンドリングは安定感を増したが、楽しくはない。ライバルのような洗練された乗り心地ではない。かつてのようなお買い得感はない。

一部のメーカーにとって、シティカーは非常に低コストで設計された安価なマシンであるはずだ。しかし、ヒョンデi10では、上級SUVと同じ高い基準を適用しているように感じられる。

1. ヒョンデi10
1. ヒョンデi10

第3世代となる現行のi10は2019年に登場した。昨年のマイナーチェンジでは魅力に磨きをかけ、1万5000ポンド(約280万円)という価格からは想像できないほど、うまくまとめられている。

インテリアの質感は大幅に向上し、実用性も高まった。居住性の高さはワンクラス上のモデルに匹敵する。エクステリアもシャープで、シックな魅力がある。

装備も充実しており、最廉価のエントリーグレード「SEコネクト」でさえ、エアコン、パワーウィンドウ、革巻きステアリングホイール、バックカメラ、Bluetooth接続機能を備えている。これ以上何が必要だというのだろう?

際立っているのは走りの良さだ。上級グレードでは16インチ・ホイールを履き、多少のロードノイズはあるものの衝撃吸収性に優れており、乗り心地が良くリラックスできる。コンパクトなボディサイズと軽い操作感も相まって、街中を楽々と走ることができる。

ハンドリングはキビキビとしていて、運動性能は十分。そして、最高出力83psの4気筒エンジン(小型車では今や珍しい)は、適切なドライバビリティと実用的な走行性能を実現している。また、パワーは劣るが、鼓動感のある1.0L 3気筒エンジンも個性的だ。

設定されているマニュアル・トランスミッションも優秀で、軽快かつ正確、手首を軽く動かすだけで満足のいくシフトチェンジが可能だ。

生産終了したフォルクスワーゲンUp! GTIのようなスター性はないかもしれないが、実用的でバランスのとれたシティカーとして、このクラスのトップに君臨している。

記事に関わった人々

  • ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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