【KINTO Unlimited】 クルマのサブスクが進化? 安さだけではないサービスに注目

公開 : 2024.09.20 07:05

KINTOの保有台数が増えたことで、事業の黒字化も目前に

さらにKINTO Unlimitedアプリ内の機能として、ARを活用した『これなにガイド』にも取り組んでいる。

これはスマホカメラを利用したアプリで、車内の知りたい車載機能にカメラをかざすと、ボタン類の機能説明が表示されるもの。取説を取り出し探す必要がないのも、便利なところだ。

スマホカメラを利用したアプリ、『これなにガイド』にも取り組んでいる。
スマホカメラを利用したアプリ、『これなにガイド』にも取り組んでいる。

KINTO Unlimitedはプリウスに加え、今年よりコンパクトハッチ『ヤリス』とコンパクトSUV『ヤリス・クロス』が仲間入り。現状では、KINTO契約者の中で、KINTO UnlimitedのプリウスUが、20%超えるシェアを持つというから、お手頃で進化するクルマの人気の高さが伺える。

ただ課題もある。購入後にハードのアップデートを受けたプリウスUは、全体の2%に過ぎないことだ。そこでKINTOは11月30日まで、KINTO Unlimitedの新規契約者に、ハードのアップデート費用を最大8万円分補助するキャンペーンを実施している。まずは欲しい機能を追加する仕組みを体験してもらい、その後の利用拡大につなげたいとしている。

事業開始からKINTOの累計契約数は12.5万件となり、KINTOの保有台数が増えたことで、事業の黒字化も目前に迫る。当初は、クルマのサブスクが受け入れられるかに疑問視する声も聞かれたが、生活に合わせた短期所有や所有コストの明朗さ、若者でも高い任意保険代の負担が不要なことなどのメリットが理解され、ユーザーの拡大に繋がっている。

もちろん他社もクルマのサブスクに取り組むが、KINTO Unlimitedのような”進化するクルマ”は他にはない。これはKINTOがトヨタの子会社である強みが最大限活かされた結果と言える。

実際に、新車の開発段階から、KINTO向けの商品開発としてメンバーに加わることも増えているというから、今までにない愛車所有の提案にも期待が膨らむばかりだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大音安弘

    1980年生まれ、埼玉県出身。幼き頃よりのクルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在は自動車ライターとして、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材を行う。原稿では、自動車の「今」を分かりやすく伝えられように心がける。愛車は、スバルWRX STI(VAB)とBMW Z4(E85)など。
  • 編集

    平井大介

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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