【WEC富士2024/編集長の目線】年々増していく熱量。まさに全員が大勝利!

公開 : 2024.09.17 07:05

9月13~15日に富士スピードウェイで、2024年FIA世界耐久レース第7戦となる『富士6時間耐久レース』が開催されました。ほぼ毎年取材と称して観戦している編集長が、現場の盛況ぶりを伝えます。

まずはWECについておさらい

9月13~15日に富士スピードウェイで、2024年FIA世界耐久レース第7戦となる『富士6時間耐久レース』が開催された。

ワールド・エンデュランス・チャンピオンシップ、略してWECと呼ばれるこの世界戦は、やはり6月のル・マン24時間耐久レースが象徴的。2024年はカタール、イタリア、ベルギー、フランス(ル・マン)、ブラジル、アメリカ、日本(富士)、バーレーンにて全8戦を展開。アジア唯一となる富士は毎年この時期に組まれていて、天候に悩まされる年もあったが、今年は土日とも晴天に恵まれた。

富士スピードウェイはトヨタにとってホームコース。展示ブースにも力が入る。
富士スピードウェイはトヨタにとってホームコース。展示ブースにも力が入る。    平井大介

クラスはプロトタイプの『ル・マン・ハイパーカー』(LMH)と、2024年から新設された『LMGT3』の2クラス。ハイパーカーも2023年から本格スタートしたカテゴリーで、それまでのレギュレーションではトップクラスがトヨタのみという時期もあったが、現在は群雄割拠、豪華絢爛の顔ぶれだ。

LMHはトヨタを筆頭に、昨年、今年とル・マンを制したフェラーリ、そしてポルシェアルピーヌランボルギーニBMWキャデラックプジョーなど。LMGT3は同じくフェラーリ、ポルシェ、ランボルギーニ、BMWに加え、コルベットレクサスマクラーレン、アストンマーティン、フォードのGT3マシンが参戦している。チームはLMHがワークス中心で、LMGT3は世界各地の強豪チームたちだ。

両クラスとも予選は、1回目のセッションでベスト10を選び、その10台がハイパーポールと呼ばれる2回目のセッションに進出。そこのタイムでグリッドが決定する。ドライバーは2~3名で、LMGT3には、ジェンソン・バトン、ロバード・クビサなど有名ドライバーも多く、元2輪世界王者のバレンティーノ・ロッシが、BMWのファクトリードライバーとして2024年フル参戦していることもトピックだ。

熱量につられてWECを満喫

個人的に耐久レースが好きで、このWEC富士にはほぼ毎年来ている。複数のドライバーが多くのチームスタッフたちと一丸になり、長い時間を”耐久”するこのレーススタイルは、0.1秒の判断が勝敗を分け、6時間をかけても最後の一瞬まで気を抜けない緊張感が見どころだ。特に昨年からはLMHの誕生で競合チームも増え、今回観戦していてもサイドバイサイドの争いがこれまで以上に頻発し、レースとしての魅力も高まった。

それに呼応するかのように、観客も増えている印象だ。土曜日にはサーキットサファリと呼ばれる、バスでコースを走行し、その横をフリー走行のマシンたちが走っていくイベントに参加。日曜日にはグランドスタンド裏のイベントスペースを訪れ、さらにピットウォークにも足を運んでみた。そこで見えたのは、来場者のWECに対する熱量の高さだ。

アルピーヌのラピエール選手がドライブするA110GTに同乗。感激!
アルピーヌのラピエール選手がドライブするA110GTに同乗。感激!    平井大介

サーキットサファリでは間近で走るマシンに興奮し、イベントスペースでは夢中で展示車を撮り、ピットウォークではドライバーのサインをもらうため駆け回り……。その熱気につられるかのように、かく言う筆者も一緒に満喫してしまったというのが本音だ。

しかもありがたいことにアルピーヌからお話を頂き、36号車でLMHに参戦するニコラ・ラピエール選手がドライブするアルピーヌA110GTの助手席で、富士を全開走行するホットラップを体験。アルピーヌのムックを過去3冊作った経験のある筆者は、これまでかなりの距離に渡ってA110を試乗してきたが、あんなに”踊る”A110を体験したのは初めてだった……!

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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