レゴが「実物大スーパーカー」公開 重量1220kg、モーター搭載の “運転できる” マクラーレンP1

公開 : 2024.09.18 06:05

レゴとマクラーレンが実物大の「マクラーレンP1」を共同制作した。34万2000個以上のパーツを使い、実際に走らせることができるモデルだ。F1ドライバーのランド・ノリスがサーキット走行を披露した。

F1ドライバーのランド・ノリスが実走行を披露

英国のマクラーレンとデンマークの玩具会社レゴ(LEGO)は9月12日、ブロック玩具で共同制作した実物大のスーパーカー「レゴ・マクラーレンP1」を公開した。市販化の計画は定かではないが、実際に走らせることができる。

レゴ・マクラーレンP1は、実車のマクラーレンP1を基に、34万2817個のレゴ・テクニックのパーツで作られた1:1スケールのモデルだ。ステアリング機構や電気モーターを搭載し、重量は約1220kgとされている。

マクラーレンP1(左)とレゴ・マクラーレンP1(右)
マクラーレンP1(左)とレゴ・マクラーレンP1(右)    レゴ&マクラーレン

レゴは2015年以来、マクラーレンと何度か提携しており、セナGTRやF1マシンのMCL36など数多くのテクニックモデルを開発している。最近では、独自の7速DCT、サスペンション、V8エンジン、ディヘドラル・ドアを備えた1:8スケールのマクラーレンP1も発売された。

今回の実物大モデルは、レゴ・テクニックのバッテリーと8個のモーターパック(オリジナルのV8にちなんだ数)を採用している。モーターパックはそれぞれ96個のレゴ・パワー・ファンクション・モーターで構成され、合計768個のモーターが使われていることになる。最高速度は時速40マイル(64km/h)に達するという。

マクラーレンとレゴから23人のスタッフが集まり、開発と制作に要した時間は8300時間以上。393種類のレゴ・テクニックのパーツを使い、11種類がこのモデル専用に作られた特注品だ。

主にレゴのブロックで作られているが、車輪やステアリングホイールなど、オリジナルのP1からいくつか部品を流用しており、シャシーはスチール製だ。

このプロジェクトの陣頭指揮を執ったレゴのデザイン・マネージャー、ルボール・ゼリンカ氏は、「最終的なデザインにたどり着くまでに何か月も実地テストと試作を繰り返しました」と話す。

「最大の課題の1つはスペースの不足でした。P1は非常にコンパクトで軽快なクルマだからです。しかし、従来のステアリングとサスペンションに十分なスペースを確保しつつ、レゴ・テクニックのパーツを何層にも重ねて剛性の高い構造にする必要がありました」

作品の耐久性をテストするために、F1のスタードライバーであるランド・ノリス選手に協力を依頼し、シルバーストン・サーキットを走行させた。

レゴのシニア・プロジェクト・マネージャーであるルカーシュ・ホラーク氏は、「ランド・ノリスが我々の作ったクルマを運転しているのは、信じられない光景でした。オリジナルのマクラーレンP1に可能な限り忠実なモデルを制作する上で、マクラーレンの自動車とエンジニアリングの専門知識は非常に貴重なものでした」と語っている。

レゴ・マクラーレンP1はこれから世界各地を周るツアーに出発し、スポーツイベントで披露される予定である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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