【詳細データテスト】マセラティ・グラントゥーリズモ 快適志向のGT ただしドライビングも楽しめる

公開 : 2024.09.21 20:25

V6+4WDを得た新型マセラティ・グラントゥーリズモは、スポーティさよりも快適性やラグジュアリーさを重視した仕上がり。とはいえ動力性能は十分以上で、後輪駆動的なハンドリングを楽しめるモードもある優秀なGTです。

はじめに

マセラティというブランドを定義するモデルをひとつ挙げるなら、それはグラントゥーリズモだ。サルーンやスーパーカー、さらにはいまやSUVもラインナップしているが、スポーティさを備えたラグジュアリーな2+2のビッグクーペはほぼ常に存在したからだ。

現在はグラントゥーリズモ、過去には3500GTやセブリング、クーペなどと銘打ち、車名は一貫していないが、マセラティにとってその手のクルマは、ポルシェで言うところの911みたいなもの。SUVに正当性を与えるためにも、本流のスポーツクーペは必要なのだ。

テスト車:マセラティ・グラントゥーリズモ・トロフェオ
テスト車:マセラティ・グラントゥーリズモ・トロフェオ    JOHN BRADSHAW

その生き残りのため、マセラティは新型グラントゥーリズモにガソリンエンジン車とフルEVを用意した。もっとも彼らは、スーパーカーのMC20やSUVのグレカーレでも同じ戦略を取ろうとしているのだが。

フォルゴーレと呼ばれるEV版は、なかなか興味深い提案だ。3モーターと800Vシステムを用い、初期段階での試乗では魅力的な走りを味わえた。右ハンドル車の英国上陸が待ち遠しいが、今回は550psのV6を積むトロフェオをテストする。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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