【詳細データテスト】マセラティ・グラントゥーリズモ 快適志向のGT ただしドライビングも楽しめる

公開 : 2024.09.21 20:25

購入と維持 ★★★★☆☆☆☆☆☆

元気を取り戻したマセラティは、値付けもなかなか野心的。下位グレードのモデナが13万3120ポンド(約2476万円)から、上位のトロフェオは16万3590ポンド(約3043万円)だ。いずれにしても、BMW M850iやポルシェ911より高額で、トロフェオはメルセデスAMG GT 63並みだ。

とはいえ、AMGは装備がかなり充実している内容での価格。マセラティは、運転支援関連のフル装備に6960ポンド(約130万円)、オーディオのアップグレードに3360ポンド(約62万円)かかる。

荷室は奥行きが940mm、幅が930〜1240mm、高さが400mm。アクセス性はまずまず。リアシートは倒せないが、スキーハッチが備わる。
荷室は奥行きが940mm、幅が930〜1240mm、高さが400mm。アクセス性はまずまず。リアシートは倒せないが、スキーハッチが備わる。    JOHN BRADSHAW

バカげているのはボディカラーだ。標準設定色は非常に限られていて、テスト車の美しいがなんの変哲もないレッドも、カスタマイズプログラムのフオリセリエに含まれる。お値段は2万9160ポンド(約542万円)と、フォルクスワーゲン・ゴルフが買えてしまうほどだ。もっとも、残価率はAMG GTよりいいと予想されるが。

パフォーマンスのポテンシャルを考えれば、燃費は妥当。ただし、ハイパワーターボによくあるように、運転の仕方によって大きく左右される。

今回はテストコースの高速周回路が使えなかったので、ツーリング燃費はいつもどおりの計測ができなかったものの、高速道路で10〜12km/L程度は期待できる。これは、かなりハイギヤードな8速と、比較的良好な空力性能によるものだ。もちろん、パフォーマンスを引き出せば、燃費は急速に落ちる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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