爽快オープンロード・クルーザー! BMW M440i コンバーチブルへ試乗 420iとM4のギャップを埋める

公開 : 2024.10.20 19:05

激減した4座コンバーチブルとして、魅力を放つ4シリーズ モニターパネルとスポーツシート獲得 心地良いオープンロード・クルーザー 420iとM4のギャップを埋める優等生だと英編集部は評価

激減した4シーターのコンバーチブル

21世紀が始まった頃は、プジョーフォード日産にもオープンカーが存在した。普段使い前提のハッチバックでも、ソフトトップを背負った仕様を選択できた。4シーターのコンバーチブルがここまで激減するなど、当時は想像もしていなかった。

2024年の今、折り畳めるルーフを備えるモデルは、高級なスポーツカーやスーパーカーへほぼ限られている。プジョー208にコンバーチブルはないし、アウディA5 カブリオレやTTも生産は終わってしまった。

BMW M440i xドライブ・コンバーチブル(英国仕様)
BMW M440i xドライブ・コンバーチブル(英国仕様)

フォルクスワーゲンTロック・カブリオレも、数か月以内に廃盤になるらしい。一時的にラインナップから落ちている、ミニ・コンバーチブルの復活が待ち遠しい。

現在のグレートブリテン島では、7万ポンド(約1344万円)まで予算を増やしても、4名分のシートが載ったオープンカーは3種類だけ。フォード・マスタングメルセデス・ベンツCLE、そして、今回試乗したBMW 4シリーズだ。

そんな4シリーズも、以前から選択肢は狭まっている。ディーゼルターボは消滅し、186psを発揮する後輪駆動の420iと、374psもある四輪駆動のM440iという2択。少なくとも、クーペとグランクーペというボディスタイルは、ラインナップされているが。

ワイドなモニターパネルにスポーツシート

4シリーズはフェイスリフトを受け、話題を集めたキドニーグリルの処理も、若干熟成度を増したように見える。時間の経過が手伝って、スポーティでエネルギッシュな雰囲気を放っているように思う。トリム類がマットクロームなことも、影響しているはず。

LEDヘッドライトは、限定生産されたM4 CSLと同じデザインになった。テールライトは、光ファイバーを用いてシャープに灯る新アイテム。例によって、ボディ塗装に新色が追加され、ホイールのデザインも新しくなっている。

BMW M440i xドライブ・コンバーチブル(英国仕様)
BMW M440i xドライブ・コンバーチブル(英国仕様)

オプションで、マトリックスLEDヘッドライトも装備可能。以前のBMWがバッテリーEVへ採用していたように、クラスター内部がブルーに染められる。最近は、方針が変わったようだ。

車内のアップデートは、スタイリング以上に大きい。スポーツシートが標準装備になり、ステアリングホイールは下部がフラットな形状に。エアコンの送風口も新しくなり、ノブで風向きを調整できる。

ダッシュボード上には、2面のモニターが一体になったワイドなパネルが載る。インフォテインメント・システムは、最新のiドライブ。グラフィックは美しく、反応は素早い。ただし、ホーム画面には小さなアイコンがぎっしり並び、運転中は扱いにくい。

エアコンやベンチレーションの操作も、このタッチモニターへ集約されている。ロータリーコントローラーは従来どおり用意され、サブメニューを掘り下げることなく、各機能へアクセスはできるが。右側には、固定表示のメニューも追加された。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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