【新型スペーシア・ギアの肝】 もっと無骨かわいく! 開発担当&デザイナーに訊く

公開 : 2024.09.21 07:05

インテリアも遊び心満載

内外ともアクセントカラーでオレンジを採用。エクステリアのCMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)を担当した長嶋みのりさんはこう解説する。

「スキッドプレートやピラーデカールをシルバーにすることで、ひとつ上のハードな質感を表現しながらも、エンブレムの横方向にビード形状を入れることで、道具感や質感の高さを表現しています。同時に縁にオレンジを入れることで、ガツガツの格好良いというよりも、ちょっと遊び心もプラスしました」

GEARのエンブレムは、文字以外の記号も合わせて50通りは検討された。
GEARのエンブレムは、文字以外の記号も合わせて50通りは検討された。    内田俊一

また、この”GEAR”のエンブレムもポイントで、文字以外の記号も合わせて50通りは検討された。しかし、「”GEAR”を特別なものとして使ってもらいたいと文字にしました」と長嶋さん。

ゲームの中の主人公みたいに

インテリアはオレンジ以外にカーキグリーンも採用し、タフで機能的なところを表現。

特に助手席前部分は、「標準のスペーシアとカスタムとは違い、ビード部分まで入れていますので、グリーンとのコーディネートが肝です」とインテリアのCMFを担当した沖野有花さんは話す。

スペーシアギアのデザイナー陣。左から沖野さん、中村さん、長嶋さん。
スペーシアギアのデザイナー陣。左から沖野さん、中村さん、長嶋さん。    内田俊一

ドアまわりまで大きな面積をしめているので、「明度は明るくせず、ミリタリー感が強くなる黄み方向にも振らないようにしています」。

そしてシート表皮も珍しい大柄を採用。その意図は、「個性あるアウトドアスタイルを表現し、歯車や山、タイヤのパターンのようにも見えるというこの柄感を採用できるのはギアしかいない」とのことだ。

フロントシートバックにはタグが配された。このデザインも様々な検討が行われ、「リアシートから見て、楽しさ表現をタグで表せればいいと考え、スペーシアギアがトレイルランして頑張っているような表現としました。8ビットゲームみたいで、ギアがゲームの中の主人公みたいにトコトコ走っているような遊び心を感じてもらえたら。山のグラフィックがシート表皮の柄ですし、エンブレムなどにも用いられているビードも組み合わされています」とのことだ。

このように遊び心満載でデザインされたのが、新型スズキ・スペーシア・ギアなのである。そんなこだわりの数々を、写真でもご確認頂きたい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    内田俊一

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 編集

    平井大介

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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