2024年版 世界最高峰のハイパーカー 「速さ」の限界に挑む “夢” の超高性能車 10選
公開 : 2024.11.09 18:05
8. リマック・ネヴェーラ
長所:地球上で最も速いクルマの1つ。驚くべきパフォーマンス。
短所:とにかく高価。
リマックほど短期間で大きな印象を残した自動車メーカーも珍しい。創業者マテ・リマック氏のクロアチアの小さなガレージから始まり、10年あまりでポルシェが一部を所有するようになり、ブガッティの未来を計画する会社に成長した。稀に見る急成長である。
若きリマック帝国の頂点に君臨するのが、「コンセプト・ワン」と「C_Two」に続いて登場したネヴェーラだ。2017年にデビューした際、間違いなく電動ハイパーカーのトレンドの火付け役となった。
ネヴェーラはわずか150台しか生産されないが、最高速度412km/hを記録するなど、さまざまな記録で人々の注目を集めている。
複合素材のシャシーを中心に、各車輪にモーターが内蔵され、合計出力1914ps、最大トルク234kg-mを発生。0-100km/h加速はわずか1.95秒とされる。120kWhの大容量バッテリーにより、航続距離は最長547kmを謳う。
その他、ダブルウィッシュボーン・サスペンション、トルクベクタリング、レベル4自動運転への対応能力など、まさに可能性の塊だ。
9. ゼンヴォTSR-S
長所:世界で最も過激なハイパーカーの1つ。ゼンヴォの初期の製品よりもはるかに説得力がある。
短所:ライバルのハイパーカーよりも重い。非常に高価。
ワイルドなルックスと合計出力1193psという驚異的なパワーを持つゼンヴォTSR-Sは、ハイパーカーと呼ぶにふさわしい素性を備えている。デンマークがこのようなハイパーカーを生んだこと自体が驚きである。
話題を呼んでいるのは、実にユニークな「左右に傾斜するリアウィング」だ。コーナリング時に左右の高さを調整し、ダウンフォースによってボディロールの抑制とグリップの向上を図るというものだ。
ツインスーパーチャージャー付きの5.8L V8エンジンを搭載し、0-200km/h加速を6.8秒(マクラーレン・セナと同程度)で駆け抜けるなど、性能も申し分ない。
また、レーシングカーのようなストレートカットギア(動力伝達ロスを減らすために歯を斜めではなく直線状にカットしたもの)を採用した7速シーケンシャル・トランスミッションを備えている。パワーロスの低減には有効だが、快適性には劣る。
いまのところ、AUTOCARはサーキットでのみ試乗したが、その速さは折り紙付きである。しかし、性能を最大限に引き出すにはかなりの練習と慣れが必要で、ステアリングがかなり鈍いのも気になった。
ただ、リアウィングが効果を発揮しているのか、限界域付近でも驚くほどフレンドリーで扱いやすいと感じられた。コーナリングスピードもかなり速い。その反面、乗り心地は非常に荒々しく騒々しいため、長距離移動では腰と耳を痛めてしまいそうな気がする。インテリアの仕上りは美しい。
ほぼ無名のブランドで、エンジンもゼネラルモーターズ製でありながら、価格はかなり高い。しかし、年間5台しか生産されないため希少性が高い。質感、性能、そして人目を引くスタイルはまさにハイパーカーそのものである。