2024年版 サーキットを思い切り楽しめる軽量スポーツカー 公道走れるのが「不思議」な高性能車 10選

公開 : 2024.10.19 18:05  更新 : 2024.10.19 22:24

5. アリエル・ノマド

長所:無制限の楽しさ。美しい作り。
短所:放浪者の苦痛に満ちた表情
舗装されていない道路が少ない英国

たとえ高級でもなくても、快適性がほとんどなくても、他車より大きな楽しみを提供してくれるクルマなら、心からの賛辞を送ることができる。2014年に登場したデューンバギーのような見た目のアリエル・ノマドは、新鮮な風を運んできてくれた。

5. アリエル・ノマド
5. アリエル・ノマド

公道でもサーキットでも、そしてオフロードでも、ノマドの技術力とパフォーマンスは驚異的だ。超ロングトラベルのサスペンションにより、意外にも乗り心地は良く、またディテールにこだわった精巧な作りも素晴らしい。

この価格帯で、純粋なドライビング・プレジャーを少しユニークな形で味わうなら、ノマドに勝るものはないだろう。

6. ウェルズ・ヴェルティージュ

長所:素晴らしいハンドリング。高い実用性。
短所:かなり希少。低中速域のパワーが足りない。

自動車の歴史には、華々しくスタートしたものの、すぐに跡形もなく沈んでしまったメーカーが数多くある。特に英国のスポーツカーブランドが顕著だ。しかし、ウェルズにそのような運命が降りかかる可能性は低い。

6. ウェルズ・ヴェルティージュ
6. ウェルズ・ヴェルティージュ

ウェルズ・ヴェルティージュは、記録破りの加速性能や肝をつぶすようなコーナリングフォースではなく、親しみやすいパフォーマンスと爽快なハンドリングを目指して設計された小型軽量のミドエンジン車である。運転の喜びを教えてくれる1台だ。

チューニングされたフォード製2.0L「デュラテック」エンジンから最高出力211psを発生し、わずか850kgの車体をぐんぐん加速させていく。

さらに優れているのはハンドリングで、フィードバックが多く一体感のあるステアリング(非アシスト)と、しなやかなサスペンション・セットアップによって、路面に合わせて呼吸するように走らせることができる。

しなやかで端正な走りは、かつてのロータス・エリーゼを思い起こさせる。

コンパクトなサイズにもかかわらず、充実した装備と大人2人がしっかり乗れるスペースを持ち、快適性も驚くほど高い。毎日楽しく過ごせるし、長距離ドライブにも向いている。

ウェルズは年間25台程度の生産を計画しており、価格は4万ポンド(約760万円)から5万ポンド(約950万円)なので、買い手を見つけるのにそれほど苦労はしないだろう。

7. BACモノR

長所:レーシングドライバーになったような気分を味わえる。圧倒的なスピード感。
短所:価格が高い。うるさい。

同乗者は必要ない……。BACモノRは、斬新なドライビング・ポジションで、まるでフォーミュラカーに乗っているかのような感覚を与えてくれる。これで公道を走れるというのだから驚きだ。

7. BACモノR
7. BACモノR

前身のモノに似ているが、全体の90%が新しく、車重もさらに軽い555kgを実現したという。

それでも設計思想は共通で、スペースフレームの「セーフティセル」をカーボンファイバー製(グラフェン強化)パネルで覆い、前後ダブルウィッシュボーン式サスペンションを備えている。

ミドマウントのフォード製2.5Lエンジンと6速シーケンシャル・トランスミッション、後輪駆動はそのままに、軽量化とパワーアップ(最高出力347ps)により、1トンあたり約620psという驚異的なパワーウェイトレシオを実現した。

乗り心地はハードで、半端なく鋭敏な走りを見せる。路面が僅かに乱れているだけで、逐一反応する。エンジンの音と振動も大きく、また車内に余分なスペースはないため、日常的な使用には向いていない。

高精度のサスペンションの働きもあって、挙動は極めてシャープで、非常にクイックに曲がる。本領を発揮するのはサーキットで、公道では多くのドライバーが忍耐を求められるだろうが、いずれにせよこの上なく強烈な体験だ。

とはいえ、オプションなしで20万ポンド(約3800万円)近くと、それなりのお値段はする。また、30台限定で、すでに完売している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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