【詳細データテスト】アストン・マーティン・ヴァンテージ 速さと快適性を高次元で両立 魅力的な改良

公開 : 2024.09.28 20:25  更新 : 2024.09.30 01:21

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

新型ヴァンテージには、生産台数の少ない大排気量GTに一般的な注意事項がすべて当てはまる。16万5000ポンド(約3168万円)という本体価格は安くないし、先代は6年前の登場とはいえ12万900ポンド(約2321万円)だったことも見落とせない。しかも、エンジンやギアボックス、サスペンションといった主なメカニズムは基本的にキャリーオーバーなのだ。

同時に、このクラスは急騰しており、ヴァンテージより速いがスター性では劣るポルシェ911ターボSは18万6916ポンド(約3589万円)、フェラーリ・ローマは18万5975ポンド(約3571万円)となっている。それらを考えれば、ヴァンテージの価格はリーズナブルで、AMG GT 63よりちょっと高いだけだ。ただし、ライバルたちは形だけでも後席が備わる。

ヴァンテージの残価は、競合車に比べても引けを取らない。ただし、オプションは高価だ。
ヴァンテージの残価は、競合車に比べても引けを取らない。ただし、オプションは高価だ。

残価については、適切に使っていれば3年後で新車価格の半分程度と予測される。それほどひどいパーセンテージではないが、金額を考えるとなかなか手痛い損失だ。

全開にしたときの燃費の悪さもなかなかのもの。73Lと大容量の燃料タンクにより、高速道路でとくにトラブルがなければ800km程度の航続距離も望めるが、テストコースでは2.3km/Lだったことからもわかるように、ブーストを効かせまくるとすぐにガス欠だ。

B級道路では5.3km/L程度だろう。これは批判より注目に値する数字だ。なにしろ、ベーシックな仕様でも700ps近いエンジンで、320km/hに達するクルマなのだから。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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