2024年版 欧州最強の「高級SUV」 乗り心地がよく高性能、実用的なモデル 10選

公開 : 2024.10.26 18:05

8. ランドローバーレンジローバー・ヴェラール

長所:コンセプトカーのようなデザイン。優れた乗り心地。スタイリッシュで先進的なキャビン。
短所:その性能と洗練されたスタイルにはそれなりの価格が伴う。ランドローバーの信頼性には課題がある。

レンジローバー・ヴェラールは、ランドローバーのSUVの中で最も「オンロード」重視で設計されたモデルであり、ジャガー向けに開発されたプラットフォームを採用している。その外観はコンセプト段階からそのまま引き継がれたもので、質感と機能の両面で多くのライバルを凌駕するゴージャスなインテリアを持つ。

8. ランドローバー・レンジローバー・ヴェラール
8. ランドローバー・レンジローバー・ヴェラール

単に見た目だけでなく、走りも良い。乗り心地、洗練性、パフォーマンス、ハンドリング精度は、同クラスのどのモデルにも引けを取らない。ただし、エンジンの気筒数で妥協することが条件だ。

4気筒エンジンは6気筒エンジンよりも性能がかなり劣り、PHEVモデルは新型のレンジローバーやレンジローバー・スポーツのような俊敏性、洗練性、EV走行距離を備えていない。

実用性やオフロード性能も、ランドローバーの他の車種と比べると見劣りするが、車高調整式エアサスペンションをオプションで選択すれば、オフロード性能は大幅に向上する。多少のダメージや泥汚れを許容できるのであれば、ほとんどのライバル車よりもはるかに荒れた道に進入できる。

予算を少し追加してでも、パワートレインは上位のものを選びたい。エントリーグレードの走りはごく平凡なものだが、最上位グレードではとても良くなる。

とはいえ、レンジローバーとレンジローバー・スポーツの新型が登場したことで、ヴェラールは存続の危機に直面している。というのも、両車ともパワートレインが優れており、ハンドリングにも一切妥協していないからだ。

9. ジェネシスGV80

長所:ディーゼルエンジンの完成度が高い。独自のスタイルを確立し、特にインテリアは印象的。
短所:2列目シートの乗り心地が許容できない。パワートレインの選択肢が少ない。

これは少し短絡的な表現だが、ベントレーベンテイガを半額程度の価格で手に入れたいなら、ジェネシスGV80がそれに最も近い。

9. ジェネシスGV80
9. ジェネシスGV80

押し出し感のある大胆なフロントから、贅沢なインテリア、そして同じく「翼」をあしらったエンブレムに至るまで、韓国のジェネシスは本物のベントレーに似せた良い仕事をしていると言えるだろう。

確かに、比較対象はあまり適切ではないかもしれない。ただ、ヒョンデの高級ブランドとして欧州進出の急先鋒を努めたGV80には、印象的な点がたくさんある。

堂々とした存在感があり、室内は広々としており、実績のあるメーカーも注目せざるを得ない仕上がりとなっている。ソフトなキルティングレザーがシートを覆い、目にするもの、触れるものすべてがワンランク上であると感じられる。

また、最先端のテクノロジーが満載で、TFTディスプレイやタッチスクリーン式インフォテインメントなど、欲しいものがすべて揃っている。さらに、ジェネシスは販売や点検といった各種サービスの面でも非常に力を入れている。

もちろん、気になる欠点もある。見た目も雰囲気も高級車として申し分ないが、運動性能には苦戦している。ハンドリングは正確で、3.0Lディーゼルはスムーズで力強い走りを見せるが、2.0L 4気筒ガソリンエンジンは高速走行時に力不足を感じる。

ステアリングなど主要なコントロールには魂がこもっておらず、低速走行時の乗り心地はゴツゴツしすぎていて、真の高級車とは言えない。また、欧州向けにもかかわらずハイブリッドの設定が一切ないのは不思議だ。

ありきたりのクルマは避けたいという方にとっては、GV80のスタイルと意外な特別感は注目すべきだろう。ただし、今年8月末の段階で欧州市場からは一時的に撤退することが明らかになっている。新しいハイブリッド・パワートレインを携えて再導入される可能性に期待したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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