【TBCC2024】 トータル7台を購入! 三菱ギャランクーペFTOを愛しすぎた男

公開 : 2024.09.27 17:45

9月8日に開催された東京ベイサイド・クラシック・カップ・シリーズ(TBCC)。その会場で、約40年前から三菱ギャランクーペFTOを乗り継いでいるオーナーさんを発見しました。高桑秀典がご紹介します。

28年前に入手したギャランクーペFTO

FTOやGTOといった三菱車の車名を見たり聞いたりしたときに、若い世代のクルマ好きは、きっと1990年代に登場したFFスペシャリティカーおよび4WDスポーツクーペのことを思い浮かべるはず。

しかし、この2台には1970年代に登場したオリジンが存在する。東京ベイサイド・クラシック・カップ・シリーズ(TBCC)のクリスタル・カップで戦っている菊池勉さん(54歳)は、元ネタとなるギャランクーペFTOとギャランGTOの両モデルを所有。そう、彼は熱心な三菱車フリークなのだ。

サーキットのみならず、ラリーやヒルクライムもFTOで楽しんできたそう。
サーキットのみならず、ラリーやヒルクライムもFTOで楽しんできたそう。    高桑秀典

「最初に所有したクルマがFTOだったので、10代の頃から乗っています。1台目は友人から横取りしたFTOでしたね。24~26歳ぐらいのときにGTOに乗りかえましたが、再びFTOに戻りました。

28年前の話で、友人の家に壊れた状態で置いてあった1973年式のFTOを入手しました。このクルマを仕上げ、いまTBCCに参戦しています。結局FTOはトータルで7台も買ってしまいました」

現在、クーラー付きでサザンクロスラリー仕様にモディファイしているGTOを足グルマにしているとのことだったので、往時に買ったクルマそのものなのかを伺ってみた。

「GTOは別のクルマです。ホワイトのコルト11F、オレンジでラリー仕様になっているコルトギャラン16L、サザンクロスラリー仕様のギャランGTOという3台を同時所有していた友人から引き受けた形見です」

ホワイトのギャランクーペFTOも所有

とにかくエクステリアデザインが好きで、ひと目惚れしてしまい、FTOをトータルで7台も購入。熱量がハンパないので、TBCC参戦マシン以外のFTOがまだあるのでは? と思い、再び質問してみたら、案の定、もう1台存在していた。

「東大の授業を手伝っているときにタルガ・タスマニアに挑戦することになり、JAF公式戦6回完走の実績が必要となる国際C級ライセンスの取得が必須になりました。JCCA用として、たまたま出てきたエンジンがダメなホワイトのFTOを購入。新しいエンジンを入れ、2020年にテスト走行を行い、2021年から本格的にレースを開始しました」

ギャランクーペFTOはギャランGTOの弟分的なモデルとなる。
ギャランクーペFTOはギャランGTOの弟分的なモデルとなる。    高桑秀典

菊池さんがクローズドコースでの競技を始めたのは50歳のときで、それまでは峠や湾岸線でのドライブを楽しんでいたそう。

「以前は日本アルペンラリーやレジェンド・オブ・ザ・ラリーなどにも参戦していました。TBCCでレースを楽しむようになったのは前回からで、スポーツ走行クラスにエントリーしていました」

今回の第46回TBCCでは予選4位、決勝5位というリザルトだったが、レース後にインタビューしてみたら、このように話してくれた。

「スタートが得意なので2位まで上がりましたが、やはり排気量が1597ccのエンジンでは2リッター勢に抜かれてしまい、途中から追いつくのがやっと、という展開になりました。最後に上位を狙ってみましたが、5位でした」

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」
  • 編集

    平井大介

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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