中国リープモーター、格安の小型EV「T03」欧州発売へ 約310万円から 218馬力の電動SUVも導入

公開 : 2024.09.26 06:05

中国の新興企業リープモーターが、9月末から欧州販売を開始する。格安EV「T03」と電動SUV「C10」を投入し、さらなるラインナップ拡大を計画中だ。

ステランティスの支援で欧州導入

中国のリープモーターは、9月末から欧州での自動車販売を開始する。ステランティスの支援を受け、小型ハッチバック「T03」とSUV「C10」の2車種のEVを展開する。

T03の英国価格は1万5995ポンド(約310万円)で、国内2番目に安い量産EVとなっている(最安価はダチア・スプリング)。欧州Aセグメントに分類される4人乗りの小型車だが、車体下部に駆動用バッテリーを搭載しているため車高がやや高めだ。

リープモーターT03
リープモーターT03    リープモーター

安価ながら、標準装備は比較的充実している。10.1インチのインフォテインメント・タッチスクリーンが搭載され、エアコンやオーディオなど、ほぼすべての車載機能を画面上で操作する。

バッテリー容量は37.3kWhで、欧州WLTPサイクルでの航続距離は最長265kmとされている。DC充電器では最大48kWの出力に対応し、30~80%を36分で充電できる。AC充電器では最大6.6kWとなる。

最高出力95psのモーターにより、0-100km/h加速12.7秒を達成する。

また、アダプティブ・クルーズコントロール、車線維持支援、死角検知などの運転支援システムも搭載される。車載ソフトウェアは無線でアップデートできるため、出荷後も新たな機能を追加していくことが可能だ。

一方、SUVタイプのC10は、テスラモデルYヒョンデアイオニック5などのライバルとして位置づけられている。英国価格は3万6500ポンド(約700万円)から。

C10は容量69.9kWhのバッテリーと最高出力218psのモーターを搭載し、航続距離は最長420km、0-100km/h加速は7.5秒とされる。最大84kWで充電でき、30~80%の充電には30分かかる。

インテリアでは、10.25インチのデジタル・インストゥルメント・ディスプレイと、車載機能の大半を制御する14.6インチの大型インフォテインメント・タッチスクリーンが搭載されている。

両車は、リープモーターと欧米系自動車メーカーのステランティスが設立した合弁会社、リープモーター・インターナショナル社によって販売される。同社の所有権は49:51で分割されている。

T03の生産はすでにポーランドのティヒにある旧フィアット工場で開始されている。ただし、英国向けの車両はすべて中国から輸入される。

なお、リープモーターは10月15日にフランスで開幕するパリ・モーターショーにおいて、3番目の欧州向けモデルとなるSUV「B10」を発表する予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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