JAFが伝えなかった「125cm」基準とは? シートベルト150cmよりもっと重要なルール

公開 : 2024.09.25 21:45

わが子に選ぶべき、安心安全なジュニアシートは?

ジュニアシートは100~105cmを超えた頃から使用が可能となる。年齢でいうと、4~5歳といったところだ。

メーカーによっては『3歳から』と書かれているが、平均身長が100cmを超えるのは、男女ともに満4歳を過ぎてからなので、年齢だけで判断しないよう気を付けて欲しい。

身長150cmでも肩ベルトが首に掛かる場合は、ブースターシートを使うと肩ベルトがしっかり鎖骨の中央を通るので安心。
身長150cmでも肩ベルトが首に掛かる場合は、ブースターシートを使うと肩ベルトがしっかり鎖骨の中央を通るので安心。    加藤久美子

では、安全第一で考えた場合、どのようなジュニアシートを選べばいいのか?

まずは、安全基準から。2023年8月で生産終了したR44よりも安全性の高いR129に適合していること。

そして、R129製品の中から、クルマとの車種適合を確認する。車種適合は、チャイルドシートメーカーの公式サイトや、ジュニアシート売り場でも確認できる。R129と車種適合が確認できたら、以下1~3をもとに選んでみて欲しい。

1 150cmまでヘッドサポート、背もたれ付きで使用できる

シートベルトが使える身長である150cm前後まで、しっかりヘッドレスト、背もたれ付きで使用できる。

2 ISO-FIX固定である

チャイルドシートの固定には、昔ながらのシートベルトとISO-FIXがあるが、がっちり固定するにはコツと力が必要なシートベルトに対して、ISO-FIXは後席の背もたれと座面の間に設置されているアンカー(金具)にガチャッとはめ込むだけで確実に固定ができる。走行中もズレる事はなく、ジュニアシートを使っていない時も座席に固定されているので安全。

3 長く使うものなので新品を購入

ジュニアシートは幼児・学童兼用タイプもあり、長いものでは子どもの成長に合わせて10年前後使用することになる。チャイルドシートはメーカーによる使用期間が定められており、目に見えない内部の劣化が進行していると、衝撃を受けた際に本来の性能を発揮できない危険もある。使用期間は厳守されたい。

また、選ぶ際、「Eマークがついている」、「安全基準に適合」、「道路交通法に適合」などのうたい文句だけで購入するのは少し危険である。Eマークがついていれば、すべて同じ安全性というわけではない。

製品によっても、またR44とR129の間にも、安全性のレベルには大きな幅がある。それは、タイヤの残り溝が車検合格ギリギリの1.6mmでも、新品タイヤの8mmでも、いずれも車検は合格であるのと同じこと。

同じ安全基準に適合していても、それぞれの安全性能には大きな違いがあり、それらは世界でもっとも厳しいADACのテスト結果を調べてみると良くわかる。

そして、安全性の高いチャイルドシートであっても、子どもの体格に合っていることの確認も重要だ。取り付けを確実に行い、乳幼児用の場合はハーネスを指1本入る程度のキツさで締めて使う。

大人たちには、かけがえのない子どもの命を守る義務がある。正しい情報と知識をもとに、安全なチャイルドシートを正しく使うことを心がけて欲しい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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