4代目へモデルチェンジ! 新型 BMW X3 M50へ試乗 プラットフォーム継続 クラストップの走り堅持

公開 : 2024.09.26 19:05

車内空間は先代と同等 ワイドなモニターパネル

ドアを開くと、センターコンソールとドアパネルで灯る、アンビエントライトが目を引く。ノーマル・モードはブルー、スポーツ・モードはレッドと、ドライブモードに応じて点灯色が変化する。

ダッシュボードでは、緩やかにカーブを描く、ワイドなモニターパネルが存在感を示す。インフォテインメント・システムは、BMW最新のOS9。スマートフォンのワイヤレス充電パッドの近くへ、ロータリーコントローラーも用意されている。

BMW X3 M50(欧州仕様)
BMW X3 M50(欧州仕様)

とはいえ、システムはタッチモニターで操作した方が簡単。コントローラーで、アイコンを選択するのは少し面倒くさい。メニューなどのデザインはわかりやすく、ホーム画面は任意に機能を入れ替えるなどカスタマイズできる。

センターコンソールには、シフトセレクターと、ドライブモードのスイッチ。タッチセンサーではなく反応は安定しているが、1つ1つが小ぶりで、フォントも小さく、手もとを見ない限り正しいスイッチへ触れにくいように感じた。

ステアリングホイールは、レッドのセンターマーカーが付いたレザー巻き。リムが太いこのアイテムは、BMW 5シリーズからの流用とのこと。スポーク部分には、実際に押せるハードボタンが並ぶ。

車内空間の広さは3代目と同等。充分に余裕があり、小物入れが充実していて、居心地は良い。荷室容量は570Lと大きく、実用性もしっかり確保。プレミアムSUVとして、不満に感じるような部分はないだろう。

運転体験を深めるサウンド クラストップの走り

公道へ出てみれば、直6ガソリンターボが猛烈な加速を披露。バッテリーEV級のロケットダッシュではないものの、心地良いサウンドが運転体験を深める。

コーナリングも相当に鋭い。ステアリングの反応は正確で、姿勢制御も秀抜といえる。高い速度域で連続するカーブをすり抜けても、落ち着きは崩さない。濡れた路面で、グリップ力が不足することもなかった。

BMW X3 M50(欧州仕様)
BMW X3 M50(欧州仕様)

とはいえ、試乗したのはドイツ南部、バイエルン地方の一般道。グレートブリテン島のアスファルトより、遥かに平滑ではあったが。

燃費は、今回の平均で10.5km/L程度。思い切り走り回れば、7.0km/L前後まで落ちることは想像に難くない。

短時間ながら、207psの2.0Lガソリンターボを積む、X3 20も運転させてもらった。確かにM50より動力性能は落ちるが、普段使いでは不満ないほど軽快に走ってみせた。乗り心地も、こちらの方がベターだ。

Mスポーツのゴージャスなレザー風仕立てより、ファブリックで覆われた20の内装の方が筆者の好みでもある。英国価格は4万8375ポンド(約929万円)からで、M50比で約2万ポンド(約384万円)もお手頃だ。

4代目が、3代目から劇的な変化を果たしたわけではない。しかし細かなアップデートで、パフォーマンスには明確な違いが生まれている。

本当にスポーティなBMWを選ぶなら、「X」は適正ではないだろう。それでも、このクラスのプレミアムSUVで、最高水準の走りを堅持したことは間違いない。

◯:前世代に並ぶ実用性 SUVでもダイナミックな走りを楽しめる 特徴的なスタイリング
△:ロータリーコントローラーではインフォテインメント・システムを操作しにくい 大きな寸法と重さを実感させる身のこなし

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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