【新型ノート・オーラNISMO】日産ファン必見! 新設の4WDはあの日産の香り!

公開 : 2024.09.29 06:25  更新 : 2024.10.02 13:47

日産の純正コンプリートカーであるNISMOロードカー。そのエントリーモデル『ノート・オーラNISMO』が、2024年7月18日にマイナーチェンジを受けました。今回の目玉は、オーラNISMO初の4WD新設です。大音安弘が解説&試乗します。

オーラNISMO初となる4WDモデル

日産の純正コンプリートカーであるNISMOロードカー。そのエントリーモデル『ノート・オーラNISMO』が、2024年7月18日にマイナーチェンジを受けた。

最大の目玉は従来のFF(307万2300円)に加え、オーラNISMO初となる4WDモデル『NISMO tuned e-POWER 4WD』(347万3800円)の新設だ。オーラNISMOは、コンパクトハッチバック『オーラ』をベースとした純正コンプリートカーで、従来型ではFFのみであった。

オーラNISMO初となる4WDモデル、『NISMO tuned e-POWER 4WD』。
オーラNISMO初となる4WDモデル、『NISMO tuned e-POWER 4WD』。    佐藤亮太

そのFF車は、日産の電動化技術とモータースポーツ活動のノウハウを活かし、”駿足の電動シティレーサー”をコンセプトに、レースで培った空力性能、感性に訴えるハンドリングを生むシャシーチューニング、電動車の強みを活かした専用ドライブモードの設定などを武器に、スポーツハッチへと磨き上げていた。

今回の改良では、標準シートの運転席側電動化、ベース車で好評のBOSEパーソナルプラスサウンドシステムのオプション化といった機能向上に加え、新デザインのフロントグリルやリアバンパーによるリデザインも行われている。但し、FF車の仕様は、”NISMOが極めたひとつの完成形”とし、走行性能には手を加えずに継続した。

後輪の駆動力が強くなるセッティング

今回の主役、4WDにおける最大の特徴は、”tuned”の名が示すように、駆動系まで手を加えたこと。NISMOコンプリートカーは価格上昇を抑えるべく、パワートレインに手を加えるのは、基本的には上位モデルに限定されてきた。

しかしオーラNISMOでは、前後輪を独立したモーターで駆動する強みを活かし、リアモーターをベース車比で最高出力+10kWの60kW、最大トルクを+50Nmの150Nmに引き上げてきた。

アリアなどの電動4WDの技術を投入することで、よりコントローラブルに。
アリアなどの電動4WDの技術を投入することで、よりコントローラブルに。    佐藤亮太

一方フロントモーターは、ベース車とNISMO FF車同様の最高出力100kW、最大トルク300Nmのままだ。その狙いは、第2世代GT-Rの開発から手掛けてきた曲がる4WD技術と、アリアなどの電動4WDの技術を投入することで、よりコントローラブルなオーラNISMOに仕上げることにあった。

その味にも幅を持たせるべく、工夫されたのが、新ドライブモードだ。モード切替で、加速力、レスポンス、減速力(Dレンジ)調整に加え、4WD専用チューニングとして後輪の駆動力も変化するようになった。

モードは、ベース車のSPORTモードに相当する”ECO”、オールマイティな”NORMAL”、そして”NISMO”の3つがあり、後者ほど後輪の駆動力が強くなるセッティング。つまり、走りにおいて、後輪の存在感を強めることができるのだ。

この他にも4WD化による専用チューニングとして、エアロが見直された。後輪モーターが追加されたことで、リア下回りの空気抵抗が増加するため、それを抑制する新デザインのリアバンパーに変更。FFと4WDのいずれでも最適な効果が得られるものとしている。

そして驚くべきは、アルミホイールを4WD専用開発としたことだ。エンケイのMAT製法による鋳造アルミホイールは、鍛造並みの強度を確保しながら、FF車用のアルミホイールよりも12%の軽量化を実現。これにより4WD化の重量増を抑制し、ベース車の+10kg増に留めている。これらが新投入の4WDのアウトラインである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大音安弘

    1980年生まれ、埼玉県出身。幼き頃よりのクルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在は自動車ライターとして、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材を行う。原稿では、自動車の「今」を分かりやすく伝えられように心がける。愛車は、スバルWRX STI(VAB)とBMW Z4(E85)など。
  • 撮影

    佐藤亮太

    Ryota Sato

    1980年生まれ。出版社・制作会社で編集経験を積んだのち、クルマ撮影の楽しさに魅了され独学で撮影技術を習得。2015年に独立し、ロケやスタジオ、レース等ジャンルを問わない撮影を信条とする。現在はスーパーカーブランドをはじめとする自動車メーカーのオフィシャル撮影や、広告・web・雑誌の表紙を飾る写真など、様々な媒体向けに撮影。ライフワークとしてハッセルブラッドを使い、生涯のテーマとしてクラシックカーを撮影し続けている。佐藤亮太公式HPhttps://photoroom-sakkas.jp/ 日本写真家協会(JPS)会員
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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